猫好き夫婦宅 お嬢さま猫の下に、わんぱく子猫がやって来た
猫にはそれぞれ性格があり、猫同士の関係や年齢でも変化もする。猫好き夫婦のもと、お嬢さまだったメス猫の下に、わんぱくな子猫がやって来た。小さなアクシデントはあっても、夫婦はおおらかに見守っている。
会社員の河野真幸さんと綾乃さん夫妻は、神奈川県内のマンションで、3匹の猫と暮らしている。
「黒猫が我が家の長男の『くろ』で、むぎわら模様が長女の『あたし』。いちばん大きな猫が末っ子の『寿一郎』です」
猫の柄のTシャツ姿の真幸さんが紹介してくれた。会社にも猫Tシャツを着ていくというほどの猫好きだ。
夫婦はもともと同じ職場の同僚。2匹の猫を飼う真幸さんと、幼い頃から実家でたくさんの猫と暮らしてきた綾乃さんは、出会うとすぐに意気投合した。交際1年後に同棲し、それから1年後に入籍した。結婚して3年、“猫ファースト”な生活を続けている。
「共働きで2人とも普段家にいないので、休みの日は猫とべったり」
「私たち、猫と過ごしたいため、新婚旅行も行っていません、旅より猫(笑)」
猫同士の関係は…
一番古株の黒猫「くろ」を迎えたのは、結婚の3年前、真幸さん36歳の時だ。大阪勤務から東京本社への転勤が決まったのがきっかけだった。それまで実家のマンションが猫不可だったため、一人暮らしをしたら、猫を飼おうと決めていたという。
「猫可物件を選びました。黒猫が欲しくて周囲に声をかけたら、後輩の家の庭に出入りしていた1歳くらいの『くろ』がいて、引き取ったんです」
その半年後、別の同僚から「知り合いが猫を保護した」と聞き、2匹目の「あたし」を迎えた。
セオリー通り、後から来た「あたし」を1週間ケージで入れて飼い、先住の「くろ」が受け入れるのを待った。2匹はすぐに仲良くなった。
「あたし」は、もともと「ココ」という名前だった。あまりに真幸さんに“あたし、あたしを見て~”というように猛アピールしてきため、「あたし」に改名したのだという。
そんなお嬢さま猫「あたし」をうまく立てつつ、“男1人と猫2匹”の暮らしは平和に過ぎた。そこに綾乃さんが加わった。“新入り”に対する2匹の態度は違ったという。
「『くろ』は“ママ、ママー”というように甘えてくるのに、『あたし』はそっけない(笑)。ツンデレというより、おっとり系なんですが、“女同士”の関係が微妙でしたね」
結婚を機に迎えた末っ子
夫婦は入籍が決まると、記念に「もう1匹飼おうか」と話しあった。迎えたのは、オシキャットの子猫。ヒョウ柄のヤマネコのような見た目の猫だ。
「野性的な感じの猫に憧れて。『寿一郎』というおめでたい名前をつけました。フレンドリーで穏やかな子で、先住の2匹にはすぐに慣れて、とくに『あたし』にくっついたんです。やはり“異性”同士のほうが仲良くなるのかしら(笑)」
夫妻はおおらかに3匹を見守った。生後2カ月でやって来た「寿一郎」はどんどん大きくなり、“俺が俺が”と主張が目立つようになった。一方「あたし」は姉らしく一歩引き、末っ子に静かに寄り添った。
お姉さん猫がケガ
そんなある日、「あたし」にアクシデントが起きた。朝起きると、右の前脚をひきずっていたのだ。
「どうしたんだろう」「どっかから落ちたのかな、あっ、もしかしたら……」
急いで動物病院に連れて行き、レントゲン検査をすると、肩を脱臼していた。
「獣医さんは『誰にやられたのかな?』と言いました。わんぱく盛りの『寿一郎』がおっとりした姉貴を押したのではないかと……。お見通しでしたね」
「あたし」は前脚をテーピングで固定してもらい、1カ月もすると、元通り歩けるようになった。その後もヤンチャな弟を可愛がり、一緒に寝ている。時には「くろ」と「寿一郎」の男同士の間にわって入り、場をやわらげる役も担っているという。
「個性それぞれの3匹が、僕らにとって大事な存在。これからキャットウォークなんかも作っていきたい。そのために壁の広いこのマンションを選んだので……」
夫婦は年末年始も「旅より猫」。猫3匹との暮らしは笑いが絶えない。
(撮影:ケニア・ドイ)
- 河野さんのインスタグラム
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