犬の無駄吠え 体調や飼育環境、イライラの様子を確認しよう
体調は大丈夫?
犬の無駄吠えについて、迷惑をかけている人への対応に加えて、もうひとつ早めの対応が必要なのが犬の体調の確認です。「吠える」という側面だけを見るとしつけの問題と考えてしまいがちですが、痛みや不快感など身体的な問題があって吠えている場合もあります。
「無駄吠え」で相談に来た子の中には、体調が悪くなり、その不安から吠える頻度が増えたという子も少なくありません。また高齢の子ではいわゆる認知症の症状として吠えることもあります。体の異常や認知機能の低下などがないかをかかりつけの動物病院に相談してみることも必要です。
飼育環境に問題はないか?
次に大切なこととして、犬が飼育環境の問題で吠えている場合にはこれを改善する必要があります。
例をあげると、無駄吠えで相談に来られたある犬は、歩道に面した玄関先(屋外)に短い鎖で繋いで飼育されていました。その犬は夜中に吠えることが問題になっていたのですが、不特定多数の人がすぐそばを通るような場所で、短い鎖で繋がれていたこの犬の飼育環境は適切でしょうか?
通行人に悪気はなくとも夜中に見知らぬ人が眠っている犬のすぐそばに近づいてくるわけですから、不安になって吠えるのは全くの正常行動です。中には吠える犬に怒鳴りつけたりする人もいるでしょう。犬は鎖につながれ逃げも隠れもできませんから、ますます不安になり人が近づくと防衛本能が働いて激しく吠えるようになります。
このような犬に必要なのは、吠えないためのしつけではなく安心して眠れる環境なのです。たとえば夜は玄関の中に入れてあげるとか、人通りの少ない家の裏側に移動するなど、犬の不安を取り除いてあげることが大切です。
行動ニーズが満たされているか?
野生動物は起きている時間の大半を食べるために費やしていると言われています。これは犬のような捕食動物では獲物を探し、見つけて追いかけ、捕まえて殺し、食べるというすべての過程を含んでいます。狩りは毎回成功するわけではないので、失敗したら再び獲物を探すところから始めなければなりません。つまり犬はもともと食べ物を得るために大変な努力が必要な動物種であり、そのための能力やエネルギーを備えています。
一方我々の飼っている犬たちは、ドライフードをお皿に入れて与えるとわずか2分程度で食事を平らげてしまいます。努力せずして食べ物にありつける代わりに、一日の大半を退屈して過ごすことになります。退屈した犬は、獲物を追いかけ捕まえ食べるために必要なエネルギーを、無駄吠えや破壊行動、場合によっては攻撃性の問題に向けやすくなります。
特に若い犬やエネルギーレベルの高い犬では、毎日十分な運動や遊びの時間が必要です。犬がイライラしている様子なら、まずはしっかりお散歩に行き、おもちゃで十分遊んであげましょう。エネルギー発散を心がけていただくだけで、吠えの頻度が減ることもあります。
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