ペットと同行避難、備えあれば 環境省、飼い主向け指針公表
西日本豪雨や北海道を襲った地震など各地で災害が相次ぐなか、環境省はペットの飼い主向けの災害対策ガイドライン「災害、あなたとペットは大丈夫?」を作成し、13日、公表した。ペットを守るためには一緒に避難する「同行避難」が重要だとし、しつけなど普段からの適切な飼育や、ペット用の避難用品の準備といった備えが有効だとして実践を呼びかける。
ガイドラインは同行避難などに備えた事前の対策として、持ち運び用のケージを準備して慣れさせておくことや、決めた場所での排泄などのしつけ、ワクチンの接種などを挙げている。
避難所にペットへの支援品が届かない場合もあることから、ペットフードやトイレ用品などペット用の避難用品の準備も薦める。また、ペットとはぐれた場合に備え、マイクロチップの挿入や飼い主情報の登録も対策として挙げた。
また、避難所ごとに屋内でペットと一緒に過ごせる場合や、飼い主とは別に屋外飼育が求められる場合、ペット受け入れ不可など、ルールが異なる。過去の災害で、避難所がペット受け入れ不可だったため、飼い主がペットと屋外で過ごしたケースがあったといい、事前に避難所の情報を集めておくことが重要だとしている。
災害発生時には、準備した避難用品をもって避難所に向かう。避難所でどうしてもペットを車の中に残さないといけない場合は、車内の温度に注意し、十分な飲み水を用意することを求めている。
環境省によると、2011年の東日本大震災など過去の災害では、避難所でペットがほえたり、毛が飛び散ったりして、飼い主とほかの避難者の間でトラブルになるなどペットを巡る問題が相次いだ。
このため、環境省は13年に災害時のペット対策をまとめた自治体向けのガイドラインを作成。さらに、飼い主向けにも災害に備えた「心得」をまとめることにした。
環境省動物愛護管理室の長田(おさだ)啓室長は「災害が起きる前の飼い主の準備が重要になる。事前にしっかり目を通して、災害に備えてもらえれば」と話している。
ガイドラインは環境省のホームページで見ることができる。また、環境省は冊子にして保健所などを通じて、希望者が入手できるようにする予定だという。
(川村剛志)
■避難する際の飼い主の主な「心得」
・ペットフードなどの避難用品を持って、避難所へ向かう
・避難所のルールに従って、飼い主が責任をもって世話する
・ペットを車の中に残す場合は、車内の温度に注意し、十分な飲み水を用意する
・施設に預ける場合は、期間や費用などを確認し、後でトラブルが生じないように覚書などを取り交わす
(環境省のガイドライン「災害、あなたとペットは大丈夫?」から)
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