盲導犬になれなかった犬「ジャーニー」、セラピー犬になって活躍

垣下麻紀さんとジャーニー=2018年8月5日、和歌山市上町
垣下麻紀さんとジャーニー=2018年8月5日、和歌山市上町

優しさやぬくもり、届けたい 垣下麻紀さん(46)

 「かわいい」「よくきてくれたね」。和歌山市内の高齢者施設で歓声が上がった。ジャーニー(5歳、オス)も拍手に応えるようにうれしそうにしっぽを振る。3年ほど前からジャーニーを連れてセラピー犬のボランティアをしている。

 「人懐こいし、どんなに興奮しても飛びつかない。タッタッタッと歩いていたかと思えば、おばあさんの歩幅に合わせて歩いたり、赤ちゃんに会えばたたかれてもじっとして見つめていたりするんです」。人に寄り添う素質を見いだして、お年寄りや子どもを癒やす活動を始めた。

 出会いは4年前。犬を飼いたいと思っていた時、近所の盲導犬ユーザーから盲導犬を目指していたが適さなかった「キャリアチェンジ犬」を引き取るボランティアを教えてもらった。「どうせ飼うなら」と大阪にある盲導犬訓練所に連絡した。初めて会った瞬間、ジャーニーはしっぽをぶんぶん。「涙が出るくらい感動しました。こんなにかわいいってどういうことだろうって」。すぐに引き取ることを決めた。

 その後、子ども向けのふれあい体験や盲導犬への支援のための募金活動などに参加してきた。昨年からは高齢者施設を訪問し、利用者に笑顔を届けている。「盲導犬は難関。適さなかったとしても他で活躍できる。その中の一つがセラピー犬なんです」

 いつも怒った顔をしている人がジャーニーに会えば、笑ってくれる。口数の少ない人がジャーニーには話しかけてくれる。やりがいを感じる瞬間だ。「できるだけ、長く続けていきたい。この子の優しさやぬくもりを感じて何かしらハッピーな気持ちになってもらったらうれしいです」

(本間ほのみ)

朝日新聞
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