実家の猫から「フーッ!」 2泊3日で仲良くなれるか

くりくりお目々が愛らしい実家のKちゃん(姉撮影)
くりくりお目々が愛らしい実家のKちゃん(姉撮影)

 昨年、実家にやって来た白キジ猫、Kちゃんに久々に会えることになりました。

 この夏には3歳になるKちゃん。会うのは約半年ぶりです。お正月にKちゃんと対面したときは、すっかり大きくなっていたので(主に横に大きく…)、さぞかし大人になっていることだろうと楽しみにしていました。

 そして実家に帰省し、対面してみると…。半年前とそれほど変化はありませんでした。

 愛らしい顔にふくふくのお腹、身体の小ささのわりに太くて長いしっぽ、背中のキジ模様に真っ白いお腹…。表情は、ちょっとふてぶてしく…いや、成猫らしくなってきた様子です。

 2メートル以上の距離を保ち、じっと私を見つめるKちゃんに、声をかけてみました。

「Kちゃ~ん! 久しぶり! 元気? 覚えてる?」

 Kちゃんの表情から察するに、とても私を覚えているようには見えません。

「Kちゃん! おいでおいで~」

 と言ってみたところで、私に手なづけられた我が家の猫たちのように、走って寄り添ってくるわけもなく、さっと逃げられてしまいました。

 こんな時は、しつこくしないのが一番です。

 実家では、両親と姉一家が暮らしているのですが、Kちゃんは父母が暮らすスペースにもよく訪れているらしいのに、私がいるせいで、あまり来てくれなくなった様子でした(涙)

 姪っ子が不在のため、私は2階の姪の部屋で寝かせてもらえることになりました。

 Kちゃんと馴染めないまま夜を迎え、姪の部屋に入ると、ドアが開いていたのか、Kちゃんがたたずんでいました。

「あら、Kちゃんここにいたの? 遊ぶ?」

 そう声をかけてにじり寄ると、思いがけない反応が…。

「フーーーー!」

 ほんの一瞬ですが、怒りか怯えか、Kちゃんに「フー」されてしまいました…。

 そして、当然遊ぶこともなく、Kちゃんは私と距離を保ちながら、恐る恐るといった様子で部屋を去っていきました。

するどい眼光で私を見つめるKちゃん
するどい眼光で私を見つめるKちゃん

 聞くと、Kちゃんはたまにこの部屋で寝ることもあるのだとか。自分のテリトリーに知らない奴が入ってきたので、威嚇したのでしょう。

 確かに知らない奴だけど、何度か会っているし、一応、親戚なんだけどなぁ。あなたと血は繋がってないんだけども…。

 猫に「フー」されたのが久々すぎて、ちょっぴりショックを受けつつ、眠りました。

 そして翌朝、階段を降りようとすると、Kちゃんが階段の途中にたたずみ、またこちらを見ていました。

「Kちゃん、おはよう」

 そう声をかけて、降りようとすると…

「フーーー!」

 またかい!!

 Kちゃんは、どうも私が怖いようです。無理に近寄っても逆効果だし、少しずつ慣れてもらうしかないんだけど、難しいなぁ。

 実家には2泊3日の滞在だったのですが、結局Kちゃんは、私の“足のにおいをかぎ、ひと舐めする”までにとどまり、それ以上は仲良くなれませんでした。

 何度か訪れるうちに慣れてくれたらよいけれど、私が去るとすぐに記憶が消去され、行く度に新規更新されてしまうと思われるので、仲良くなるのはなかなか難しいです。

 自宅に戻った私は、手なづけた猫たちを呼び、返事をさせ、なでまわし、“Kちゃんからのフー”の心の傷を癒したのでした。

(ヤスダユキ)

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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