手作りのネコ型折り紙が人気 中学生の地域貢献プロジェクト
広島県尾道市の市立長江中学校の生徒たちがつくった「ネコ折り紙」が好評だ。尾道市立美術館で開催中の「浮世絵づくし にゃんとも猫だらけ」展のミニ展示で紹介したところ、持ち帰り用の折り紙が1日に100枚近くなくなる人気ぶり。美術館からは「追加発注」を受けた。
ネコ折り紙のプロジェクト「ねこぷろ」は昨年の生徒会活動の中で生まれた。今春卒業した3年生が自分たちでできる地域貢献はないかと考え、「もらって喜ばれるもの」として折り紙のアイデアが出てきた。昨年1月の修学旅行先で、ツルの折り紙をお土産にもらったときの喜びが発案に結びついたという。
折り紙にメッセージや情報を書いて渡せば、多くの人に尾道に関心を寄せてもらえる。お寺やレモンといった折り紙の候補の中から選んだのが猫だった。黒猫と三毛猫の折り紙を試作し、10月の文化祭ではデザインを募った。
今年1月には、2年生の生徒たちが修学旅行先の鹿児島で、ネコ折り紙を手に尾道観光をPRした。民泊先でお土産に渡して一緒に折ると、「尾道に一度行ってみたくなった」「これ、どこで売ってるの?」といった反応。女子生徒の一人は「素直に喜んでもらえて、とてもうれしかった」と振り返る。
ネコ折り紙は縁あって、学校近くにある市立美術館で17日に始まった「猫だらけ」展の中で紹介されることに。生徒たちは折り紙誕生の経緯を模造紙につづって貼り出した。折り紙には折り方の手順が記され、折るのは難しくない。会場には持ち帰り自由の折り紙も置かれており、開幕2日間で200枚以上がなくなる人気ぶりだという。
美術館から折り紙の追加要望を受け、生徒たちはボランティアで制作に取り組んでいる。A4判の紙にカラー印刷したものをはさみで正方形に切っていく。一枚一枚、気持ちを込めることが大事と考えるからだ。
生徒会を担当する駕屋(かごや)妙子教諭は「一つのアイデアが大きな可能性につながることを生徒たちは学んでくれたのでは」と話す。
ネコ折り紙を今後、どう生かしていくか。プロジェクトを引き継いだ新3年生が考えていく。
(北村哲朗)
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