被災者とペットの同室可否、避難所ごと判断 環境省が指針改定

口永良部島の火山噴火の際、避難所の外につながれた飼い犬=2015年5月、鹿児島県屋久島町、池田良撮影
口永良部島の火山噴火の際、避難所の外につながれた飼い犬=2015年5月、鹿児島県屋久島町、池田良撮影

 2016年の熊本地震で避難所でのペット受け入れが問題になったことを踏まえ、環境省は2月25日、災害時のペット対応の指針を改定し、発表した。ペットを連れて避難する「同行避難」を基本とする一方、避難所のルール次第では同室では過ごせない場合があることを明確化し、トラブルを避けることを目指している。

 環境省は、東日本大震災後の13年にペットの同行避難を基本とする指針を作成。ところが、熊本地震では避難所の室内にペットを連れて入れないことへの飼い主の苦情や、室内に連れ込んだペットへの苦情が出るなど問題が続出した。

 このため改定版では「同行避難は避難所でペットを人間と同室で飼えることを意味しない」と明記。避難所の規模により同室できる場合もあるが、屋根のある渡り廊下やブルーシートをかけたサッカーゴール内などで飼う場合もありうると例示し、アレルギーのある人や動物が苦手な人への配慮を求めた。持ち運び用のケージに慣れさせておくなど、「ペットも社会の一員」として過ごせる普段のしつけが必要とした。

 また熊本地震で課題になった車中泊について、ペットとの同行避難ではありうる措置だとして、飼い主がエコノミークラス症候群にならないことやペットの熱中症への注意も呼びかけた。

(竹野内崇宏)

朝日新聞
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