猫が目をこする、視線が合わない… 猫の目の異常のサイン
猫の目の異常に気付いたら、注意が必要です。もしかしたら、結膜炎や角膜炎、緑内障かもしれません。
もしも、その病気が進行性のものであれば、小さな異変のうちに素早く気付き、病状が悪化するまえに治療してあげたいものです。ここでは「猫の目」について、飼い主さんが日頃から意識しておくべき異常を知らせるサインと原因、対応策についてご紹介します。
◆目をこする、涙が出る
人間は、目に異物が入ると、途端に涙がたくさん出てきたり、目が痛んだりします。ところが、猫は多少目に物が入ったとしても、それほど大きな反応を見せることはありません。これは、猫の角膜の感覚が鈍いためです。そんな猫が目を気にしてこすっていたり、涙を流したりしている場合は、よほど大きな違和感があると考えられます。特に、涙を流している場合は、何らかの身体的トラブルが起こっていると考えていいでしょう。
考えられる原因
猫が目をこすっていたら、角膜炎や細菌性結膜炎など、目の炎症が起こっているかもしれません。
また、目の周辺の皮膚にかゆみがある場合も、目をこするようなしぐさが見られます。この場合は、アレルギーや腫瘍などの可能性が考えられます。
対応
もしも、上記のような病気の場合、抗生物質や抗アレルギー薬による治療が必要となりますから、まずは病院で診察を受けるようにしてください。早期治療が早期解決への近道ですから、放置せずに早めに病院へ行くことが大切です。
特に、アメリカンショートヘアやペルシャは、目のトラブルが起きやすい種です。中でも、ペルシャのような短頭種は、鼻涙管の狭窄や閉塞を起こしやすいので、異常が見られたときは早めの対処を心掛けましょう。
目の傷は、放っておくと傷痕が白い斑点状に残ってしまうことがあります。また、感染症は子猫や高齢猫にとって命にかかわることもある重大な病気です。「たかが涙くらい」と思わずに、猫の様子をよく見て、症状が治まらなかったり、ほかの身体トラブルが同時に見られたりした場合などは病院へ行きましょう。
なお、猫の涙や目やには、皮膚病にもつながります。猫が涙や目やにを出していることに気付いたら、こまめに拭き取ってあげてください。そのとき、目や周囲の様子、目やにの色、形状などについてもチェックしておくと、病院で症状の説明をするときに便利です。
◆視線が合わない
「まったく目の見えない猫が、どこかにぶつかったりすることもなく、ごく普通に生活を送る」ということがあります。猫は鋭い嗅覚や聴覚を持っているため、目が見えなくても、それ以外の感覚器で周囲の様子を推し量ることができるのです。
これは、猫の持つ優れた能力を示す特徴でもありますが、同時に飼い主さんにとっては、「猫の目の異変に気付きづらい」ということでもあります。つまり、「普段と変わらない様子で暮らしているとばかり思っていた猫が、実は失明していた」ということもありえるのです。
考えられる原因
猫が失明する原因には、緑内障や脳腫瘍、網膜出血などが考えられます。脳腫瘍の場合は、手術が必要になることもあるので、気が付いた時点ですぐに病院へ連れていってください。
対応
こうした事態を回避するために有効なのが、猫の目のチェックです。もしも、「名前を呼べばこちらを見るが、目は合わない」という場合、声に反応して振り向いているものの、目が見えていない可能性があります。また、猫の目の前にティッシュペーパーを落としてみて、視線が動くかどうかチェックしてみましょう。反応がない場合は、見えていない可能性が高いと推測できます。
監修:服部幸
発行:洋泉社
価格:1500円+税
A5、160ページ
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