犬のキナコ、おかえり! 車から飛び出し行方不明…無事に再会
昨年12月21日、病院の駐車場で車から飛び出し、行方がわかりません。10歳ほどのオスで名前はキナコ。散歩嫌いで家から出たことがない犬です――。
1月11日、丁寧な字でそう書かれたファクスが京都府の朝日新聞宇治支局に届いた。電話で尋ねてみると、すでに保健所や警察に連絡済みだという。心配しながら何もできずにいたが、その8日後、「見つかりました」と明るい声で電話をいただいた。
宇治市の小瀧茂さん(82)、鈴枝さん(82)夫妻の飼い犬。茂さんが、当時入院中だった鈴枝さんに面会しに訪れた先の駐車場でいなくなった。シェットランド・シープドッグばかり飼い続け、キナコは3代目だった。
3年前から夫婦ふたり暮らしで、キナコは子どものような存在。年明けに退院した鈴枝さんは「朝起きても姿がなく、毎日泣いていました」。もうだめだろう、とドッグフードや犬用の布団などを整理した翌日の18日、京都府山城北保健所(宇治市)から、似た犬を保護したと連絡があった。
茂さんと急いで保健所に向かった。「どこに行ってたん。帰ろ」と声をかけると、泥まみれのキナコがすり寄ってきた。見つかったのは、駐車場から3キロほど離れた山あいの道沿い。住民が同保健所に通報したという。
「ほんとうによかった」と鈴枝さん。体重は3キロ減っていたが、すっかり元気になった。車庫のわきにしっかりとつなぎ、迷子になってもわかるよう、首輪の裏に連絡先を書き込んだ。
同保健所によると、昨年度、管内で犬の行方不明の届け出は74件。うち20件は保健所が保護するなどして飼い主に引き渡した。担当者は「最近は室内でつながずに飼うケースも増えており、注意してほしい」と話している。
(小山琢)
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