高齢者のペット飼育 動物の見極めと、もしもの時の準備が必要
超高齢社会を迎えた日本。高齢者にこそ、コンパニオンアニマルとしてのペットは重要だともいえますが、そこには「終生、動物の世話がしきれるのか」という大きな問題が横たわっています。ペットの生涯に責任を持つことは飼い主の義務。飼い主にもしものことがあったときの対策を講じておくことは、年齢に関係なく大切だと思います。
逆にいえば、日々の世話ができて、いざというときには引き継いでくれる人や施設の用意があるならば、何歳から飼い始めてもいいと思うのです。
具体的には、老犬・老猫ホームと契約をしておく、家族や信頼できる友人に託す約束をしておく。ペットの飼育にかかるであろう費用をある程度残す、などの対策が考えられます。
迎える動物の見極めが大事
シニア世代にさしかかってからペットを飼おうと考えるなら、動物の種類や性質など、さまざまな観点からの見極めが必要です。
まず、第一のポイントは散歩。どんな動物にも必要運動量というものがあります。犬ならば中型犬以上なら毎日の散歩は必須ですから、自分の体力とよく相談して。無理そうならば、散歩の極力少ない小型犬や猫などにすべきです。
次に重要なのは衛生的な飼育環境が整えられるかどうか。排便・排尿の管理ができないと、人も動物も健康が脅かされることになります。次いで重要なのが食事。決まった時間に、必要量を与えられるかどうか。運動・排泄・食事の3点が管理できる動物を迎えることが、幸せなペットライフのカギです。
誰でも世話しやすい状態に
人間の食事を「おすそわけ」する飼い主さんがたまにいますが、飼い主が高齢であるほどこの傾向は強く、かつ、大きな問題となります。まず、人間が食べておいしいものは、ペットにとってもおいしいもの。次第に口が肥えて、ペットフードを食べなくなります。同様に一緒に寝る習慣もできるだけやめましょう。飼い主としか寝られない子になってしまうと、誰かに世話を託すときに苦労することになります。
飼い主が高齢であるということは、万一の時には誰かに先行きを託すということ。誰が担当しても世話しやすいペットにしておくことが、結果的には人も動物も幸せになれる道なのです。
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