保護犬の譲渡を受けた喜び 家族の一員に迎え、幸せ

譲渡犬同窓会には、もも(中央)を含むたくさんの犬や飼い主たちが集まった=徳島県神山町の県動物愛護管理センター
譲渡犬同窓会には、もも(中央)を含むたくさんの犬や飼い主たちが集まった=徳島県神山町の県動物愛護管理センター

 11月、徳島県動物愛護管理センターの広場で、犬と飼い主たちが「えさの早食い競争」や「だるまさんが転んだ」などを楽しんでいた。今年4~9月にセンターから譲渡された犬とその家族の「譲渡犬同窓会」だ。


 参加した9組の中に、4月にメスの雑種(1歳)を引き取った勝浦町の今井知里さん(41)と小学3年の長男、伶(れい)君(9)の姿もあった。


 昨年12月、伶君が「犬を飼いたい」と言い出した。伶君の家族は祖母、両親と高校生と中学生の姉の6人暮らし。だが、祖母と上の姉が反対した。「いつか死んでしまうし、お世話ができない」「世話をする時間がないでしょ」


 伶君は両親と中学生の姉の4人で、センターの「動物ふれあい教室」に参加。保護されている子犬とふれあった。後日、譲渡申請書を提出した。「引き取ったがやはり飼えなかった」という事態を防ぐためにセンターが実施する、飼い主としての適性審査を受けるためだ。


 今井さん家族は、数カ月にわたって話し合い、犬を飼うことが決まった。4月上旬に雑種1頭を引き取った。


 家族で決めた名前は「もも」。引き取って約7カ月で、約2キロだった体重は13キロほどに増え、「おすわり」や「まて」もできるようになった。


 今では、反対していた祖母も仲良しだ。ももが来てから家族の会話も増えたという。「みんなで可愛がっている。引き取って良かった」。そう話す知里さんの横で、ももは元気に走り回っていた。


 センターは2009年度に、犬や猫の譲渡先を動物愛護のボランティア団体などにも広げた。昨年度は譲渡された犬や猫437頭のうち、約6割にあたる263頭が団体に引き取られたという。


 現在、譲渡先として登録されているのは25団体。動物福祉団体のNPO法人ハート徳島(徳島市)はその第1号で、センターからの譲渡犬のマイクロチップ登録は、この団体の働きかけもあって実現したという。


 団体は引き取った犬や猫を、同市渋野町の山中にある収容施設で育てながら、新たな飼い主をインターネットなどを使って探すという活動を続けている。センターからの引き取りは年間50頭ほどにのぼるという。


 ただ、新たな飼い主が見つかっても、次々と犬や猫がやってくる状態で、現在は約130頭の犬と約80頭の猫で施設が満杯。ここ半年はセンターからの譲渡を受けられていない。スーザン・マーサー理事長(41)は「動物たちはただ生きていればいいのではなく、質の高い生活を送れることが大切。殺処分される犬猫を増やさないためにも、避妊去勢手術を受けさせて」と話す。


(佐藤祐生、福家司)


<関連記事>
火葬場に向かうトラックで殺処分 死と隣り合わせの動物たち
譲渡が広がり、殺処分数は激減 でも「最後まで責任もって」

朝日新聞
朝日新聞に掲載されたオススメのペット記事を紹介しています。

sippoのおすすめ企画

sippoの投稿企画リニューアル! あなたとペットのストーリー教えてください

「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!

Follow Us!
編集部のイチオシ記事を、毎週金曜日に
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。


動物病院検索

全国に約9300ある動物病院の基礎データに加え、sippoの独自調査で回答があった約1400病院の診療実績、料金など詳細なデータを無料で検索・閲覧できます。