すごいね、介助犬ダイキチ 車いすの男性と小学校で「実演」

児童たちは藤原さんの指示に従うダイキチの様子を食い入るように見ていた=岡山県赤磐市上市
児童たちは藤原さんの指示に従うダイキチの様子を食い入るように見ていた=岡山県赤磐市上市

 介助犬への理解を深めてもらおうと、岡山県赤磐市立山陽小学校で8日、県内第1号の介助犬ペアである藤原智貴さん(43)=岡山市中区=とラブラドルレトリバーのダイキチ(3歳、オス)が、実演を交えながら普段の生活を紹介した。


 参加したのは同小学校の4年生70人。8年前、サーフィンの練習中に首をケガして胸から下と手が動かせなくなったという藤原さんは「ダイキチには携帯電話を持ってきてもらったり、服を脱がせてもらったりします」と説明した。


 実際に名刺や1円玉をその場に落としてダイキチに指示を出すと、しっぽを振りながら、器用に口でくわえて藤原さんに渡した。児童たちは大きく拍手をして歓声を上げた。

 

ダイキチは隠してあった藤原さんのスマートフォンを見つけて持ってきた=岡山県赤磐市上市
ダイキチは隠してあった藤原さんのスマートフォンを見つけて持ってきた=岡山県赤磐市上市

 藤原さんとダイキチは2016年12月から訓練を開始。17年2月に認定試験に合格し、県内で初めての介助犬ペアとなった。藤原さんはダイキチとの暮らしを「毎日が楽しい。ダイキチがしてくれることで、できることが増えた。出かけるときの不安や心配もなくなった」と語った。


 日本介助犬協会の広報を担当する磯貝歩美さんは「介助犬はスーパーにもレストランにも入れます。町中で見かけたときは犬に声をかけたり、触ったりしない、『優しい無視』をお願いします」と呼びかけた。


 大森明日華さん(10)は「介助犬のことがよくわかった。ダイキチがかわいかった」と話した。


 厚生労働省によると、11月1日現在で介助犬は全国に68頭。日本介助犬協会の担当者によると、介助犬を必要としている人は全国に約1万5千人いるといい、介助犬が足りない状況だという。


(本間ほのみ)

朝日新聞
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