二度目の挑戦で警察犬に合格、シーズー「まる」
青森県警の嘱託警察犬審査会で、弘前市の主婦浜名麻美さん(42)が飼う小型犬シーズー「まる」(オス、3)が合格した。県警によると、小型犬の合格は県内2例目で、狩猟犬でない犬種は珍しいという。まるには、小さな体つきを生かし、行方不明者の捜索や啓発イベントでの活躍が期待されている。
警察犬に適しているとして、日本警察犬協会が指定しているのはシェパードなど大型犬7種だが、審査会に合格できれば警察犬になることはできる。最近では、全国的に小型犬の警察犬も増えている。
まるが警察犬の訓練を始めたのは、生後6カ月のころ。市内の犬のしつけ教室で、もの覚えのいいまるを見たトレーナーに誘われた。軽い気持ちで始めたが、訓練は簡単ではなかった。
シーズーは元々、中国の宮廷で愛玩用に飼われていた犬種。小型犬でもテリア種やビーグルのように狩猟本能があるわけではない。また、「頑固な性格」とされ、まるも訓練を嫌がることがあった。だが、訓練以外の時はたくさん遊んでメリハリもつけるようにすると、苦手だった「物をくわえる」こともできるようになった。
初挑戦となった昨年の審査会。ところが、周りはほとんどがシェパードやラブラドルなどの大型犬で、まずは浜名さんが雰囲気にのまれてしまった。それがまるにも伝わったのか、いつもはできていた「臭いのかぎわけ」に迷い、何度も浜名さんの方を振り返った。結果は不合格だった。
環境に左右されないよう、誰が通るかわからない屋外や、出先のドッグランでの練習を重ねた。しだいに他の犬や知らない人がいても指示通り動けるようになり、今年6月の審査会では、臭いのかぎわけと足跡を追う二つの部門に挑戦し、足跡の方で合格した。
小型犬ならではのメリットについて、県警の熊谷春樹鑑識課次長は「大型犬が入れない狭い場所に入れたり、子どもにも警戒されにくかったりする」と説明。出動の6割を占める行方不明の高齢者の捜索や、啓発イベントでの活躍を期待しているという。まるはまだ実際の出動経験はないが、浜名さんは「どのくらい貢献できるかはわからないけれど、出動要請にはできる限り答えたい」と話している。
(山本知佳)
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