「店番わんにゃんと仲良くなる」というギリシャの楽しみ方
ヤーサス!
10回目の今回は店番をしているわんこ&にゃんこについて。
ギリシャでは、どんな島にも店員さんと一緒にお店番をしている犬や猫がたくさんいます。
(末尾に写真特集があります)
お店の密集する地域だと、犬はサイズにかかわらず多くの場合でリードにつながれています。こちらが「こんにちはー」と入店した時点で、かなりの確率で店員さんからは「犬、ここにいてもいいかな?」「怖くない?」など配慮の声かけもあります。
お店にいる犬は人に慣れていて、ほえたり飛びかかってきたりしたことはありません。
そして、「あっ、ご主人、お客さん来たよ! 来たよ!」とオーナーさんに報告にいく姿をよく見ます。また、”お店番をしている犬”を見るのが初めて、という観光客にたくさん写真を撮られて「アイドル犬」のようになっている子も!!
猫の場合はもちろんリードなどはついていません。首輪もついていない子の方が多いかな。“猫に首輪をつけよう”という意識が日本より低いように思います。ですので、初めは「野良猫がお店に居ついているのかしら?」と思っていました。
でも、「うちの看板娘、可愛いでしょ」とお店の方に声をかけてもらって、「あなたが飼っていらっしゃるんですか?」「そうなのよ! “娘”って言ったけど、もう7歳!」という会話が始まり、犬と同じように猫を飼うお店が多いことを知りました。
玄関前の足ふきマットの上に陣取っている猫と仲良くなろうとしていたら、「お店に入りたかったんでしょ? ごめんね」とマットごと、ずるずるっと入り口前からずらしてもらったことも!
また、ナクソス島のある路地では、出会った猫が、振り返って鳴いては先を歩き…を繰り返してガラス製品屋さんを案内してくれたこともありました。広い展示スペースのあるお店の真ん中に座って「私のお店はここ! ここで私をなでなさい」みたいな顔をするので、なでてあげたところ、お店のご主人が登場しました。
「やあ、いらっしゃい。その子がキミを案内した?」
「ええ、こんにちは。やっぱりよくあることなんですか? 看板娘なだけじゃなくて、道案内もできちゃう賢い子なのね」
「いやぁ、それが、その子は僕の猫じゃないんだ。隣のお店の子なの! でも、よくお客さんを連れてきてくれるんだよね。ハハハ」
とのこと。でも抱き上げて可愛がっていました。
・明確な飼い主がいても、周囲のみんなで可愛がる
・みんな、その子の名前も好きな遊び方も知っている
という感じが、ギリシャらしいなと感じます。
「同じ路地に住んでいる子供はみんな私の孫たちよ!」と言っているおばあちゃんたちとよく話すから、そう感じるのかも知れません。
その後、本来の飼い主さんのお店をたずねてみました。
「最初は店には連れてこなかったんだけどね、ついて来たがるから試しに連れてきたら気に入ったみたいで、それからは家でも店でも一緒にいるんだよ」とうれしそう。さすが、ペットと船に乗って旅をし、一緒にバカンスを楽しむ国。ペットと一緒にお仕事もするのですね。
初めは「お店の外だけでなく、中にも動物がいる!!」と驚いたものですが、みんな毛並みもきれいで、“餌やりやトイレはお店の裏側で。掃除もきっちり!”というお店が多いので、観光客が通るような道に匂いや糞害はありません。それに、お店のお仕事に協力的なわんにゃんに会うのも楽しい!
“店番わん&にゃん”は、飼い主もペットも観光客も笑顔になれる、なかなか良い文化だなぁと思うのでした。
それではまた。タレメ・シントマ(また会いましょう)!
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