人気の「ペット共生型」賃貸、便利な設備と驚きのサービスとは?
賃貸住まいでも、ペットと暮らしたい――。そんな人たちに向けたペット可物件やペット共生型物件といった賃貸住宅が注目を集めている。中でも、ペットと暮らすことを前提に設計されたペット共生型物件は、飼い主も犬猫も快適に過ごせる環境が整っているという。ペット共生型物件にはどんな魅力があるのか。「へーベルメゾン+わん+にゃん」を展開する旭化成ホームズに話を聞いた。
■住めるのは入居審査を通った飼い主だけ
ペット可物件の多くはもともと普通の賃貸住宅で、新築時はペット不可だったところも少なくない。それが築年数の経過などで近隣の物件に比べて競争力が落ちてくると、空室を出さないように条件を緩和し、入居者の対象を広げているのだ。このため特にペットを意識した設備はなく、ペットを飼わない入居者も多く住んでいることが多い。
これに対して、ペット共生型物件は、ペットと住むことを前提に設計・建築された賃貸住宅だ。このため一般の住宅にはない、ペットのための設備が用意されている。たとえば、旭化成ホームズの「へーベルメゾン+わん+にゃん」では、共有スペースにリードを引っ掛けておくリードフック、足洗い場、ドッグラン、散歩の行き帰りに休憩できるベンチなどが整備されている。
居室部分には、クローゼットの下の部分を空間にしたペットスペースが設けられているほか、洗面台は猫や小型犬のシャンプーに対応できるように大きめのサイズになっている。さらに、ニオイ対策としてイオン発生器も備えている。
ペット事業の立ち上げから携わっている同社営業推進部テナント企画室長の吉澤好彦さんは、こう話す。
「これらのハード面の設備は、どこのペット共生型物件でもだいたい共通しているのですが、当社ではソフト面のサービスにとことんこだわりました」
集合住宅では、ペットはとかく入居者間や近隣とのトラブルの種になりがちだ。同社ではまず、入居を希望する人に書類とペットの写真、そして電話面談による入居審査を行い、入居者をふるいにかけているというのだ。
■災害時でも助け合えるコミュニティを
「ペットを飼っていると、散歩などを通して入居者同士が顔を合わせたり、コミュニケーションしたりする機会が多くなります。気持ちよい人付き合いができる社会性と、ペットを飼う上でのマナーやしつけ意識を拝見しています」(吉澤さん)
しつけが不十分で、それを改善しようとする意識もみられない人に対しては、入居を断るケースもある。結果として入居してくる人は常識的で、マナーをわきまえた人だけに限定されるため、入居者間や近隣のトラブルはほとんどなく、入居者の安心感や満足感が高まるのだという。
「ペットを飼っていると、災害時の心配も大きいですよね。普段から愛猫家・愛犬家という共通項を持つ入居者同士で交流ができていると、困った時に助け合うことができます」(同)
■しつけ教室や獣医の医療相談も
犬の飼い主は散歩の行き帰りで自然に顔をあわせるが、猫の飼い主はこうした機会が少ない。そこで同社では、物件ごとにプロのトレーナーによるしつけ教室や、写真の撮り方教室、フォトコンテストなど、入居者同士がペットを通して交流を図れるイベントも開催している。
さらに、入居者専用のサイトを開設し、獣医やトレーナーに医療やしつけに関する無料相談を受け付けている。専門家からアドバイスを受けることで、ペットの困りごとや不安も解消できる。
同社では、全国に約720件あるペット共生型物件のうち、6割以上が最寄り駅から10分以上離れているという。賃貸物件として恵まれた立地とはいえないが、それでも入居率は98%で、キャンセル待ちの部屋も多くあるという。
■上階より1階が人気
「最寄り駅から遠いのは人にとっては不便でも、ペットにとっては自然豊かで散歩がしやすい理想的な環境になりえます。ちなみに、一般的な賃貸物件は上の階ほど人気がありますが、弊社のペット共生型物件では1階から埋まっていくんです。専用庭があるのでペットを遊ばせられるのが人気の理由です」(同)
これだけの設備とサービスがあると、家賃も高いのでは?
「管理費として月に5000円いただいていますが、家賃は極端に高く設定しているわけではありません。環境により異なりますが、1000〜3000円程度一般物件より高いくらいの設定です」(吉澤さん)
同社が16年に実施したアンケート調査によると、ペットを飼いたいのに飼えない理由の第1位は「住んでいる住宅がペット不可」で、全体の7割を占めるのだという。しかし、これだけ理想的な賃貸物件があれば、もはやペットを飼わない理由はないかもしれない。
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