番犬ならぬ「オオカミロボ」で農作物守る 吠えて光って害獣撃退
シカやイノシシなどから農作物を守ろうと、南アルプス市中野の休耕田で14日、「オオカミ」で野生動物を追い払う試みが始まり、伊奈ケ湖に続く森に遠ぼえが響いた。
設置されたのは体長65センチ、体高60センチのオオカミ型ロボット「スーパーモンスターウルフ」。赤外線センサーで動物を検知すると、シカやイノシシが嫌がる音やLEDの点滅光を発して追い払う。脚はがっちりした金属製のポールで、オオカミの毛皮を模した防水性コートで体を覆う。電源電池は太陽光パネルから充電。先行して設置した北海道や青森、千葉両県では効果を発揮しているという。
北海道奈井江町の太田精器が開発した。元々LED部品を扱うが、数年前から製品を活用した商品開発に活路を求め、昨年から現場で使い始めた。
野生動物の習性について北海道大学や東京農大の研究者から助言を得ているといい、威嚇音はオオカミの遠ぼえに似た音やイヌが獲物を狩る鳴き声、動物の悲鳴など約50種類。「お前だけは許さない」という男性の声も出る。「野生動物には人間も天敵なので」と太田裕治社長(58)。「顔は受け狙いですが、口を開けて見える牙は動物が怖がるといわれます」
獣道に置き、赤外線センサーの反応のほか、タイマーで一定の間隔で音や光が出るようにできる。この日は地区住民と相談し、夜間30分ごとに20秒間、作動するよう設定した。音量は最大約90デシベルで、車のクラクションを近くで聞くぐらいという。近隣からの反応も考慮し、今後の設定を決める。
金丸栄三中野区長(68)は「シカ、イノシシの農作物への被害が大きく、特にシカは人家近くに現れ、待ったなし。効果があればうれしい」と話した。
市は効果があれば、来年度予算で複数台購入する予定だ。
(渡辺嘉三)
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