筋肉質かどうかは生まれた時に決まる?! 柴犬の筋肉を学ぶ①
マッチョな人が好き、筋肉に惚れ惚れしちゃう……ってな人も意外と多いようだが、愛犬の筋肉について意識したことはあるだろうか。犬の筋肉はどんな役割をしているのかなど、筋肉にまつわるアレコレを詳しく学ぼう。
Text:Hiromo Mizoguchi Illustration:Yuko Yamada
監修:高崎一哉先生
筋肉の構造
筋肉は数多くの筋の細胞が集まった筋束群となる。筋原繊維同士が融合しているのが筋繊維。筋原繊維の中にあるアクチンとミオシンのフィラメント構造部分がスライドすることにより筋肉が収縮するしくみだ。
筋肉とは?
筋肉にもさまざまな種類がある。具体的にどのようなものがあるのか、まずは筋肉の構造や種類について知っておきたい。
筋肉質になるかどうかは生まれた時に決まっている!?
昨年の話題といえば、リオオリンピック。日本をはじめ各国のアスリートたちの活躍振りに、感動したり、熱い声援を送っていた人も少なくないだろう。オリンピックだけに限らず、他のスポーツ競技においても、アスリートたちの鍛え抜かれた肉体美は見事だよなぁと思うこともあるのでは。ムキムキな筋肉が好きという女性も意外と多いようで、筋骨隆々のマッチョマンと行くバスツアーイベントなども人気を集めているようだ。
そこで今回は犬の筋肉に、注目してみることに。筋肉は人間と同様、犬においても重要な役割を持つ身体の組織のひとつだ。筋肉がどのような構造をしているのかは上の図の通り。筋繊維(繊維を線維と表示することもある)の本数は生まれた時に決まっており、その本数が多いと筋肉質になりやすいといわれている。筋肉の種類も左で紹介しているようなものがあげられる。今回は犬の身体を動かすことに重要な役割を果たしている骨格筋を主として説明していこう。
筋肉の種類
内臓筋
心臓に関連する心筋、心臓以外の内臓に関連する平滑筋があり、これらは自分の意思で動かすことはできないため、不随意筋として分けられる。また、舌や咽頭などは横紋筋であり、意識して動かすことができる随意筋に含まれている。
骨格筋
骨格に付随して、身体を動かす役割をしている筋肉。ほとんどが横紋筋であり、自分の意思で動かすことができる随意筋。
遅筋(ちきん)
持続性のある動きに使われる
速筋(そっきん)
瞬発的な速い動きに使われる
ゆっくりとした動きや持続性のある動きに使われるのが遅筋。長く動かしていても疲れにくいという特徴がある。その反対なのが速筋であり、遅筋に比べると疲れやすい。骨格筋の多くは速筋といわれている。
白筋(はっきん)
白っぽい色をしている筋肉
赤筋(せっきん)
赤色をしている筋肉
白筋と赤筋の違いは、筋色素であるミオグロビンが含まれている量による。多く含まれていれば筋肉は赤く見える。白筋は速筋と同じ瞬発的な動きを得意としており、赤筋は遅筋と同じく持続的な動きを得意とする。
骨格筋はこれらのような種類に分けられているが、例えば短距離ランナーとマラソンランナーでは筋肉の質に違いがある。一気にパワーを爆発させ速い動きが必要な短距離ランナーは速筋と白筋が多く、マラソンランナーは遅筋と赤筋が多いといわれる。これらの割合も生まれながらに決まっているそうだ。親や兄弟が長距離が得意であれば、短距離を目指しても、ある程度までは努力で可能かもしれないが、生れ持った筋肉の質の影響は大きいとのこと。
監修:高崎一哉先生
高円寺アニマルクリニック院長。治療のみならず、食事や飼育環境の改善など飼育指導にも積極的に取り組み、ドッグトレーナーと連携してしつけの指導にも力を入れている。
高円寺アニマルクリニック 東京都杉並区高円寺南2-14-14
TEL03-3311-1014
http://koenji-ac.com/
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