「私たちの大事な分身、存在を知って」 盲導犬4頭に特別住民票

特別住民票を交付された盲導犬と、障害者ら=山口県宇部市
特別住民票を交付された盲導犬と、障害者ら=山口県宇部市

 障害者の目や耳、手足の役割を果たす「補助犬」。飲食店などへの同伴が断られる例が後を絶たたない実態を受け、山口県宇部市は2日、盲導犬4頭に名前や住所を記した「特別住民票」を交付した。障害者のパートナーとしての存在を広く知ってもらう狙いがある。

 身体障害者補助犬法は、公共施設や飲食店、宿泊施設などが、補助犬の受け入れを拒むことを禁じている。だが、日本盲導犬協会によると、盲導犬を連れた人が利用を断られた事例は、2005年から今年3月末までの間に、全国で計257件起きている。最も多いのが飲食店で、約半数を占める。「動物を入れないよう保健所から指導されている」と断る例が多いという。

 特別住民票を交付された溝田ウティル君(2歳)は、昨年12月から溝田成哲(しげあき)さん(66)と日々を共にする。溝田さんは「盲導犬は私たちの目であり、分身。盲導犬の実情を多くの人に知ってもらい、『心のバリアフリー』が進めばうれしい」と話した。

 埼玉県所沢市もこの日、盲導犬と聴導犬の計3頭に特別住民票を交付。8月には埼玉県坂戸市が盲導犬1頭にマイナンバーカードを与えた。

(加茂謙吾)

朝日新聞
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