ハムスターは繊細 飼い方の注意点と、診療実績の多い動物病院
独特の愛らしさを持つハムスター。散歩やしつけが不要だから、気軽に飼いたくなるペットだ。だが寿命が短く、繊細。注意事項をしっかりおさえたい。
文=編集部・金城珠代、石原美紀子
ケガをしやすいため要注意 バランスよい食事で肥満防止
子どもがいる家庭の多くで、初めてペットを飼おうという時、選択肢の一番目に来るのがハムスターではないだろうか。アニメのキャラクターにもなるその愛らしい姿は、子どもならずとも、多くの人が一度は飼いたいという誘惑にかられたことだろう。だがその寿命はわずか2、3年。短い命を少しでも幸せに全うできるように、大切に飼ってあげたい。
そもそもけがをしやすい動物であり、けがをするとその部位をかみちぎってしまうこともある。子どもが乱暴に扱うなどしていたらすぐに制止し、大切に扱うことを教えてほしい。また歯の疾患が多く、一方でその歯にかまれたら飼い主がけがをする可能性もある。歯の伸び具合は、飼い主の責任でまめにチェックしてあげる必要がある。
草食に近い雑食なので何でも食べるが、肥満になりやすい。草やペレットなどをバランスよく食べさせることが重要だ。なお、ヒマワリの種、カボチャの種など脂肪分の多い種子は控えたい。また、ハムスターは食べ物を頬袋にため込む習性がある。そのため、食べた量をなかなか正確に把握できないのも特徴だ。エサのあげすぎには、くれぐれも気をつけてほしい。
意外と知られていないのが、湿気に弱いこと。ケージはこまめに掃除し、床材を交換しなくてはいけない。水入れは食器タイプよりも、ボトルタイプのほうがおすすめだ。
特徴的な病気とけが
骨折
ケージに挟む、回し車に脚を引っかける、高いところから落ちる、飼い主が誤って踏むなどして、かかとの上や前脚、後ろ脚を骨折することがよくある。対策としては、湿気がこもらないように気をつけながら金網状のものと無縁の水槽などを利用して飼う、回し車は注意して使うなどが考えられる。飼い主が乱暴に扱うことなく、大切に触れあうのは大前提だ。ハムスターは、折れた部分をかみちぎってしまうことがあるので、注意が必要。万が一骨折したら、すぐに動物病院に連れていこう。
不正咬合
ハムスターの上下4本の歯は一生伸び続ける。ケージの金網をかじることなどにより不正咬合が発生することがある。エサを食べにくくなり、時には歯があごを貫通してしまうケースもある。伸びすぎた歯を切りそろえたり、抜歯したりしてあげよう。
腫瘍(しゅよう)
内臓や皮膚に腫瘍ができる。皮膚にできた場合は、早期に発見できれば外科的に切除でき、予後も良好。ただし、ハムスターの腫瘍は非常に進行が速いことが多いので、「1週間経過を見る」などということが通用しない。発見したらすぐに動物病院に行き、手術について獣医師と相談すべきだ。体が小さいので、抗がん剤による化学的治療や放射線治療は難しい。
下痢
下痢をすると、子どもでなくても死に至ることがある。細菌や真菌、ウイルス、寄生虫などによって起こると考えられる。ケージにハムスターを多く入れすぎていたり、不潔だったりといった不適切な飼育環境も原因となる。投薬や点滴などで治療する。ほかのハムスターにうつらないようケージの消毒も必要だ。
泌尿器疾患
高齢になると腎炎や膀胱炎にかかりやすくなる。水を飲む量や尿の回数が増える、血尿が出る、尿がなかなか出ないなどの症状が出たら、すぐ動物病院に相談。投薬治療が中心になる。
ハムスターの診療比率が高い病院(%はハムスターの診療比率)
16%
21(ツーワン)動物病院
東京都新宿区中落合1-1-8
TEL03-5983-2100
15%
ふじさわアビアン・クリニック
神奈川県藤沢市鵠沼石上2-1-13ACEビルⅠ 201号室
TEL0466-50-6362
K%27s Pet Clinic(ケーズペットクリニック)
東京都町田市能ケ谷4-4-11
TEL042-736-9965
13%
アミ動物クリニック
千葉県千葉市稲毛区稲丘町15-11
TEL043-238-7958
12%
ヴァンケット動物病院
東京都世田谷区池尻3-16-4 SEED池尻101
TEL03-5787-5947
10%
南ケ丘動物病院
三重県津市垂水887-7
TEL059-226-9912
アーリン動物病院
千葉県松戸市小根本77-3
TEL047-703-4833
ドリトル動物病院
東京都板橋区小茂根1-30-7
TEL03-3958-8570
ハート動物病院
神奈川県相模原市南区南台4-15-2
TEL042-765-1122
大相模動物クリニック
埼玉県越谷市大成町3-62-1
TEL048-989-9898
エキゾチックペットクリニック
神奈川県相模原市中央区東淵野辺1-11-5カサベルグK-101
TEL042-753-4050
わたりだ動物病院
神奈川県川崎市川崎区渡田1-2-15
TEL044-333-3949
エヴァ動物病院
大阪府摂津市千里丘5丁目16-6
TEL06-6388-9911
イース動物病院
東京都大田区大森西3丁目12-1
TEL03-3768-7606
くわじま動物病院
千葉県船橋市宮本6-26-18
TEL047-422-2045
町田家畜病院
東京都練馬区東大泉7-25-19
TEL03-3922-1070
湊どうぶつ病院
東京都中央区湊3-18-16
TEL03-6222-3737
しのざき動物病院
東京都江戸川区上篠崎4-14-14
TEL03-5664-3556
志木いわい動物病院
埼玉県志木市柏町4丁目2-12
TEL048-474-1222
げんき動物病院
東京都世田谷区下馬5-7-10
TEL03-5486-2211
8%
駿河どうぶつの病院
静岡県静岡市駿河区高松1-16-1
TEL054-236-1188
7%
LUNAペットクリニック潮見
東京都江東区潮見2-6-1潮見駅前プラザ一番街
TEL03-5632-6566
6%
アキ動物病院
東京都府中市分梅町5丁目10-1プロシード1番館
TEL042-334-5611
どうぶつ病院東橋本
神奈川県相模原市緑区東橋本1-12-13
TEL042-771-6663
ハムスターのここに気をつけよう
床材選びは気をつけよう目の疾患やアレルギーの原因に
ハムスターは結膜炎、角膜炎など目の疾患や、アレルギーなど皮膚の疾患が多い動物だ。その原因が、床材に使われているウッドチップだった、というケースがよくある。ウッドチップから生じる木くずが目を刺激するためだ。特にパインチップ(針葉樹)でできた床材は、アレルギーの原因となることもある。
また木くずは、ぜんそくなどの原因となる揮発性炭化水素を出す可能性もあるなど、何かと問題が多い。そのため、バーズ動物病院の西谷英氏はこう指摘する。
「基本的には、紙(ペパーレ)でできた床材がおすすめです。また、床材を不潔にしているとほこりが目に入ったり、糞尿などで汚れた手足で目をこすったりして、結膜炎などを発症する場合があります。床材はいつも清潔にしてください」
ところで、目やにが出るなどの症状を起こしている時、人間用の目薬を使う飼い主がいるという。当然のことだが、人間用の目薬は、人間に合うように成分量が調整されている。ハムスターの目に異常が見られたら、まずは生理食塩水で洗ってあげよう。
ハムスターの目を開けさせ、生理食塩水で洗ったら、余分な水分をティッシュなどで優しく拭く。目に水分などが残ったままだと、ハムスターの被毛が汚れてしまうし、生理食塩水が口に入るのはなるべく避けたいからだ。
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