哲学犬「ロダン」が帰ってきた 悩める体験つづる
哲学犬ロダンと飼い主一家の日常を描いた「ロダンのココロ」で知られる福岡市出身のマンガ家・内田かずひろさん(51)が、新刊「ロダンのココロ いろはのきもちクリニック」(日本文芸社)を出した。「悩みを抱える人に寄り添えたら」とマンガと自身の体験談をつづった。
内田さんは高校まで福岡で育ち、卒業後に絵本作家を志して上京。90年にマンガ家デビューした。96年から朝日新聞、週刊朝日などで約15年にわたり「ロダンのココロ」を連載した。
今回の著書は、見開きの右側に「ロダン」の四コママンガ、左側には、福岡での少年時代から自らに感じていた不安、23歳で心療内科に通った体験など自分の心をめぐるエピソードを紹介する形式。完全主義、潔癖性、他人の視線への恐怖――。
「こんな変なことで悩んでいるのは自分だけじゃないか。そう思っていても、意外とそうじゃないんですよね。特に若い方の気持ちが少しでも軽くなってくれればうれしいです」
巻末には、監修にあたった精神科医の海老澤佐知江さんとの一問一答も収録した。
「上から目線で語るのではなく、共感や寄り添うことが大事だと思います。だから個人的なことをさらけだしました」
福岡にはもう15年ほど戻っていない。12年にはうえやまとちさんら同郷の12人による「コミックふるさと 福岡」(マガジンハウス)に執筆。方言の魅力を4コママンガで紹介した。「自分の気持ちをいちばんうまく表現できるのは、やはり生まれ育った博多弁。だから上京して30年以上経った今も、博多弁で独り言をつぶやいてます」
(西正之)
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