たぬき猫にゃん太郎、観光大使に任命 鹿児島

鹿児島県内最古の木造駅舎で知られるJR嘉例川駅(霧島市隼人町)に1匹の猫がすみつき、人なつっこい性格で観光客や地元住民の人気者になっている。まちおこしに取り組む団体は5日、見る人の心を癒やし、地域の魅力を発信してもらおうと、猫を「嘉例川観光大使」に任命した。
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この猫は4~5歳のオス。嘉例川地区活性化推進委員会(山木由美子委員長)が、タヌキに似ていることから、「たぬき猫 にゃん太郎」と名付けた。
山木委員長によると、猫は昨年11月末ごろ現れた。右耳に去勢手術を受けた印があり、キャットフードを好んで食べることから、元々飼い猫だったらしい。
住民が食べ物を与え、寝床や布団などを提供して世話を続けるうち、「所帯道具」が増えていった。「すぐにいなくなるかなと思ったが、駅が気に入ったのか、そのうちにすみつき、幸福を運ぶ招き猫になった」と山木委員長は目を細める。
5日、嘉例川駅であった任命式。近くの市立中福良小6年の松下優太君と4年の川口柚乃さんが「にゃんにゃーにゃんにゃにゃ」「観光大使に任命する」と「猫語」を交えながら任命証を読み上げた。食事中だったにゃん太郎に代わり、山木委員長が受け取った。
来賓の時任英寛市議は「大使就任を心からお祝いします」とあいさつ。にゃん太郎がそっぽを向いたため、「にゃん太郎さん、あなたのことなんですけど……」と苦笑いしていた。
JR九州は庭付きの猫ハウスを贈呈。少々お疲れ気味のにゃん太郎は「新居」に入ると、気持ちよさそうに居眠りした。
山木委員長は「大使就任をみなさんが喜んでくれてうれしい。にゃん太郎を温かく見守って」と話していた。
(大久保忠夫)

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