ペットショップ視察報告 「糞尿だらけ」「小さすぎるケース」
先日、環境省がブリーダーやペットショップなどを対象とした動物愛護法の新たな規制を設けることを検討しているという報道がありました。そこで今回はペットショップの相談内容の要件で多くあげられるものの中で、2件の視察内容を報告します。
① 「糞尿だらけのところに犬・猫が展示されている」という相談
現場は、バスを降りて5分ほどの大通りに面したショップで、店内はそこまで悪臭はありませんでしたが、よくある「ペットショップが臭い」という印象でした。昼過ぎごろに行ったため、ほとんどの個体が寝ていましたが、糞尿と一緒に寝ている状態でした。
見渡すと、ほとんどの展示用ケージは糞尿がそのままの状態でした。中には目ヤニがついて目がうつろな仔猫、自分の糞尿が染み込んだ敷紙を食べている秋田犬もいました。
特に驚いたのが「ワクチン未接種 お手を入れない様に」と書かれているグレートデンが身を乗り出して自ら来客を迎えていたことです。犬の感染症に対する危機感が全くありません。逸走防止策もなく、もし外に飛び出てしまったら事故を引き起こす可能性がある大変危険な状態でした。あきらかに人出不足、そして注意不足が伺えました。
担当地区の生活衛生課に連絡したところ、「すでに対応中の案件」とのことでしたが、一般の方がみても動物たちの安全が心配されるような現実である以上、この状況が動物たちのニーズを満たしているものなのか、また、命あるものを扱う責任を認識しているのか、大いに疑問であり、当局には引き続き適切な対応をお願いしました。
② 「子犬や小鳥が小さなガラスケースに閉じ込められ売られていた」という相談
現場へ行ってみると、小犬の展示用ケージのサイズは、相談者の指摘通り、子犬の体格にあっていませんでした。特に、小鳥が虫籠で販売されていました。
鳥籠に6羽の文鳥が一緒に入れられていて、中には他の鳥にいじめをうけて毛が抜けている子もいました。また、呼吸が早く、具合が悪そうな子もいました。早速、自治体へ報告し、視察・指導のお願いをしました。
お店側が張り出しているポップには「走ることがだいすき!」と書いてある犬なのに狭いケージに入れておく矛盾。ストレス以外の何物でもありませんし、成長にともない体格にあわせた広さのケージに移してあげる対応をしてもらいたいものです。
このような環境を「よし」としてしまう状況が現実としてはあります。
また、現行の愛護法では罰則に結びつく基準がないため、自治体では「お願い」の段階で留まっていることが多いようです。報道にあったように実例をより多く把握し、一日も早く自治体が指導しやすくなるような基準・規制が設けられることを期待します。また事例によっては規制にとどまらず罰則に繋がることも必要かと思います。
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