保護犬のために 私たちができること
保護された犬の数だけ物語がある──。
「保護犬シンデレラ・ストーリーズ」では、 保護犬にまつわる様々なドラマをご紹介する。
今回は、らむ動物病院(埼玉県 蓮田市)を営む、姉妹獣医師の浜谷楽夢先生と創楽先生に話を伺った。
8匹の動物すべて保護された子だった
姉妹ともに獣医師となり、埼玉県蓮田市に「らむ動物病院」を開院した。姉の浜谷楽夢先生が院長を、妹の創楽先生が副院長を務めている。2人が飼っている動物たちの数がすごい。
院長「私の方は、犬4匹にうさぎが1羽」
副院長「私は犬2匹と猫を1匹飼っています。みんな一緒に出勤して日中も一緒に過ごしています。自然と、受付にいる子、処置室にいる子と分かれていますが、みんな仲良しですね」
総勢8匹。さながら幼稚園のように、明るく楽しそうに過ごす姿からは想像もつかないが、実はこの子たち、すべて保護犬や保護猫だった。
院長「いつも受付にいる“しあら”は、もとは繁殖犬でした。すごく可愛いのに9歳という老犬で、なかなか貰い手は見つからないだろうな、じゃあ私が……と引き取ったんです」
病気があっても大丈夫だから
2人はなぜ保護犬を選ぶのだろうか。
副院長「仕事柄、捨てられる子たちがたくさんいることを一般の方よりも身近に感じているせいでしょうか」
院長「その子の性格が分かっていたり、しつけができていたりと保護犬ならではの良さはありますが、私たちの場合はできるだけ引き取り手の少ない子を……という気持ちが強いです」
副院長「例えば、病気や障害を持っている子。獣医の私たちなら看られるので」
猫の“ぼると”は後ろ足を引きずって動く。この子は、近所の小学生が「助けてほしい」と連れてきたのを副院長が引き取った。下半身不随で自力でトイレができず、サポートが必要だという。
副院長「障害を持っていると聞くと痛々しいような感覚があるかもしれませんが、全然そんなことなくて、本人は楽しくやっています(笑)」
ハスキーの“まぁしゃ”はてんかんの持病がある。
院長「病気によっては実は飼うのにそうハードルは高くありません。病気は、治療する・しないを含めて私たち獣医も一緒に考えていきます。大切なのは、一緒に過ごす時間。たとえ最後の1年間でも楽しく過ごせたらいい」
飼う人も保護犬も楽しく過ごしてほしい――そのために何ができるのか模索している最中だと2人は語る。実際に、プチ譲渡会の開催やチャリティーをしてその収益を保護犬の活動に寄付するなどの取り組みをしている。ノミ・マダニの駆除薬『フロントライン』のセーブペットプロジェクトの思いに通じるものだ。
院長「セーブペットプロジェクトはすごくいいですよね。動物に関わる人が保護犬を救うために動いているというのはやっぱりうれしいですね」
自分たちがしていることを動物愛護というと大げさな気がするのだとか。
院長「保護犬もいいものだよって、ゆる~く伝えられたらいいなと思っています。だから、うちの病院にきてくれている方から『次は保護犬も考えるわ』と言われたときは本当にうれしくて」
副院長「あんまり難しく考えずに、ちょっとしたことで動物は救えることを知ってほしいなと思います」
保護犬を新しい家族に、迎えませんか
譲渡サポートシステム「しっぽネット」の仕組み
NPO法人ワンワンパーティクラブのしっぽネットでは、保護犬の譲渡を行っています。運営費用は、補助助成金、企業協賛金、寄付金で成り立っています。飼い主となる方の費用負担はありません。
保護犬を引き取りたい方はしっぽネット連絡先へ
NPO法人ワンワンパーティクラブ
電話:080-7051-8243(10時~18時)
メール:sippotkow@wanwan.org (朝日新聞『sippo』を見たとお伝えください。)
HP:NPO法人ワンワンパーティクラブ(別窓で開きます)
病院でのノミ予防・マダニ対策が保護犬・保護猫たちの幸せにつながります。
1年で約16万頭。飼い主に捨てられ、殺処分されるイヌやネコの数です。「セーブペットプロジェクト」は、動物病院で処方されるノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」の売り上げの一部を、飼い主のいない動物たちを救うために役立てる動物愛護プロジェクトです。あなたのペットへの愛情が、行き場をなくした動物たちの幸せへとつながります。
セーブペットプロジェクトでは、NPO法人ワンワンパーティクラブを通じ、これまで400頭もの被災犬の保護活動を支援してきました。現在は、被災ペット以外の保護犬たちの支援活動にも着手しています。セーブペットプロジェクトについてはこちらから
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