保護犬が叶えてくれる 背伸びしない幸せとは
保護された犬の数だけ物語がある──。
「保護犬シンデレラ・ストーリーズ」では、保護犬にまつわる様々なドラマをご紹介する。
今回は、石川県小松市で、すずき動物病院を営む鈴木隆史先生に話を伺った。
人が大好きな動物病院の看板犬
すずき動物病院の診察室に入ると、奥からテリア系のミックス犬が、尻尾をフリフリやってきた。(あなたはだぁれ?あそんでくれる?)とキラキラした目でこちらを見上げている。この子が、病院の看板犬「マックス」だ。4年ほど前まで野良をしていたのだという。
「私もお手伝いをしているんですが、保護犬は、一度、健康診断を受けてから譲渡されます。マックスが保護された時は栄養状態が非常に悪く、痩せて汚れていたために社会復帰に時間がかかり、譲渡は難しいと判断を下されてしまった。では僕が引き受けます、と」
すでに成犬だったが、一通りのしつけも難なく覚えた。
「はじめて会ったときからマックスがフレンドリーな性格だということは分かりました。ご覧のとおり人が大好きですし、ほかの動物ともうまくやれる。診察室にひょこひょこ現れて“さわってさわって”と手を出す。病院というのは少し特殊な環境ですが、私もスタッフもこの子の存在に救われているところがありますね。治療にもすごくいい効果を与えてくれています。それに、マックスの長い脚もよかった。私はアウトドアが好きなんですが、この子の体なら雪遊びができると思ったんです。実際、マックスとふたり(?)でスキーにいったときは、雪の上をうれしそうに走り回っていました」
保護犬だからできる最良のマッチング
鈴木先生はこれまでに10頭ものイヌを飼ってきたが一度もイヌを「購入」したことがなく、さらに、獣医師として保健所に勤めた経験もお持ちだ。多くの保護犬とふれあってきた先生曰く、保護犬を選択する上で最大の利点は、飼い始めの時点で性格や体格が確立されているところにあるという。
「飼い主の生活や環境に合わせられるということです。飼い始めてから困った事態になったということが少ない。子犬から飼うとなると、飼い主の知識や経験が問われます。イヌを飼うとき、背伸びをしない幸せを求めるのが一番で、保護犬ならそれが可能なんですよ」
保護犬の支援活動を続けている「フロントライン」のセーブペットプロジェクトを説明したところ――。
「ノミ予防・マダニ対策はヒトとワンちゃんネコちゃんのためにありますが、それが社会貢献につながるというのはすばらしい仕組みだと思っています。自分のペットへの愛情が動物の命を救っているわけですからね。どんなに保護犬たちを救いたいと思っていても、一人の力では限界がありますから」
いま鈴木先生のもとには、マックスを含む3匹のイヌと2匹のネコがいる。みんな、引き取った子たちだという。彼らに加えて、スタッフのイヌもやってくる。日中のすずき病院は実ににぎやかだ。この病院の明るい雰囲気は、マックスたちが作り出しているにちがいない。
「いつかマックスたちと連れ立って、キャンピングカーにのって全国を旅してみたいと思っています。なかなか時間がとれませんが、私の夢です」
保護犬を新しい家族に、迎えませんか
譲渡サポートシステム「しっぽネット」の仕組み
NPO法人ワンワンパーティクラブのしっぽネットでは、保護犬の譲渡を行っています。運営費用は、補助助成金、企業協賛金、寄付金で成り立っています。飼い主となる方の費用負担はありません。
保護犬を引き取りたい方はしっぽネット連絡先へ
NPO法人ワンワンパーティクラブ
電話:080-7051-8243(10時~18時)
メール:sippotkow@wanwan.org (朝日新聞『sippo』を見たとお伝えください。)
HP:NPO法人ワンワンパーティクラブ(別窓で開きます)
病院でのノミ予防・マダニ対策が保護犬・保護猫たちの幸せにつながります。
1年で約16万頭。飼い主に捨てられ、殺処分されるイヌやネコの数です。「セーブペットプロジェクト」は、動物病院で処方されるノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」の売り上げの一部を、飼い主のいない動物たちを救うために役立てる動物愛護プロジェクトです。あなたのペットへの愛情が、行き場をなくした動物たちの幸せへとつながります。
セーブペットプロジェクトでは、NPO法人ワンワンパーティクラブを通じ、これまで400頭もの被災犬の保護活動を支援してきました。現在は、被災ペット以外の保護犬たちの支援活動にも着手しています。セーブペットプロジェクトについてはこちらから
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