保護犬・ハンターとの出会い 「次は絶対に保護犬で」

「愛犬家」と呼ばれるには、まだ少しくすぐったいし、2020年の東京オリンピック開催の年までに犬や猫の殺処分ゼロを目指している「TOKYO ZEROキャンペーン」や、湯川れい子委員長の下、さまざまな啓蒙活動を行っている「エンジン01文化戦略会議」の動物愛護委員会でも、私は末席にいるような気がします。そんな私が、犬や猫にまつわる連載をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 さて、2015年3月22日、晴れて「正式譲渡」と相成り、我が家に新しい家族、ミニチュア・ピンシャーのハンター(オス、推定3~5歳、上の写真)が加わりました。

 

 ハンターと出会ったのは今年1月。「the VOICE」という動物愛護団体が品川区のカフェで開催した、里親を募集するための譲渡会場でした。

 

 譲渡会に行くのは初めてでした。足を運んでみる大きなきっかけとなったのは、昨年8月31日、私にとって〝初めての犬〟だったミニピンのピン(メス)が「虹の橋」を渡って行ったから……。

 

「次は絶対、保護犬で……」と心に決めながらも、ピンを失った悲しみから、なかなか行動に移すことができずにいました。それと、「まだ家の中にピンの気配がしているのに、新しい犬を迎えるなんて、ピンに申し訳ない」という思いもありました……。

 

 実は昨年12月、保護犬のトライアルに失敗するという苦い経験もしています。そのことはまた今度、改めて書かせていただきますが、「保護犬と出会うのは難しいのではないか……」という考えにもなりかけていました。

 

 そんな折り、夫がネットで見つけてくれたのがミニピン2匹を保護しているthe VOICEのホームページでした。

 

「ミニピンを飼ったことのある方に……」と説明文が付いている画像には、ちょっと白髪が混ざったような、でも、かわいい顔をした2匹のミニピンが写っていました。

 

 4歳くらいまでは落ち着きがなく、走り出すと追いつかないほど俊足で、ジャンプ力もハンパないミニピン。「初めて犬を飼う方には難しい」「しかも保護犬だし」、それならば「ミニピンをわかっている飼い主さんに……」ということだったのでしょう。なんだか〝ご指名〟を受けたような気がしました。

 

 すぐに譲渡会に申し込み、当日、夫と、先住犬のミニピンのココ(メス、8歳)とともに会場にうかがいました

 

 ケージの中から私たちのほうを見つめるも、全く動こうとしなかったのは一騎(オス)。そして、私が手を差し伸べると、やや身体を硬直させながらも抱っこさせてくれたのがハンターでした。

 

 聞けば、2匹は一緒に保護されたとのこと。ならば2匹まとめて……と思ったのですが、一騎はハンターに近づくと、必ず「う~~~」と声をあげて嫌がるというのです。その場で何度かチャレンジしましたが、やはり一騎はハンターにそういう態度をとりました。本当は、ピンに顔が似ていた一騎に気持ちが残りました。でも、ハンターで申し込みを入れました。

 

 その週末、the VOICE代表の有動敦子さんと、ボランティアでハンターを1カ月間預かってくれていた新井由布子さんが、ハンターを我が家に連れてきてくれました。「仮譲渡契約書」の読み合わせは、まるで不動産の契約のように厳しいものでしたが、改めて、犬との〝約束〟を提示されたようで、気持ちが引き締まりました。

 

 しかしそれから1カ月、ハンターは全く、なついてくれなかったのです。

 

 

山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。『踊る!さんま御殿!!』の構成や、『サンデージャポン』『ドデスカ!+』などのコメンテーターを務める。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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この連載について
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