保護犬猫活動をパナソニックが支援 ジアイーノの寄贈は3年目で計30団体に

ジアイーノを贈った「NPO法人群馬わんにゃんネットワーク」を訪問。「ジアイーノ保護犬猫応援プロジェクト」の寄付金の目録を贈呈した、(写真右から)パナソニックの播磨晶子さん、成瀬淳基さん、田頭裕子さん、伊藤泰典さん。NPO法人群馬わんにゃんネットワークのボランティアスタッフの志村直美さん、吉田智子さん、猫を抱っこしているのが理事長の飯田有紀子さん

 2023年9月で3年目に突入した、パナソニックによる「ジアイーノ保護犬猫応援プロジェクト」。同社製品の次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」を動物保護団体に寄贈することで、犬と猫、そしてお世話する人々が心地よく活動できる、クリーンな環境を提供し続けています。ますます広がりを見せるこのプロジェクトのさまざまな活動をリポートします。

寄贈先の保護団体を訪れ、スタッフの声をヒアリング

「ジアイーノ」の大きな特長は、脱臭に強い力を発揮する点。団体を運営する人々の大きな悩みである、動物たちやそのトイレのニオイにアプローチしています。初年度から10団体ずつに寄贈しており、今年で30団体にまで上りました。

 パナソニックのプロジェクトメンバーは並々ならぬ情熱を傾け、寄贈した団体をできるだけ訪問し、保護活動の現場で何が起こっているのか、携わる人がどんな思いを抱えているのか、さらにジアイーノがどう役立っているのか、改善点はないか、など丁寧なヒアリングを続けています。

 寄贈先の一つである、千葉県船橋市の「NPO法人 猫の森」。最寄り駅からほど近いビル内にあり、入居者のいないフロアの2部屋を借りて運営しています。当日は34匹ほどの保護猫が思い思いに過ごしていて、寄贈されたジアイーノは1部屋に1台ずつ置かれていました。

ジアイーノを贈った「NPO法人猫の森」を訪問。代表理事・北村由紀子さん(左から2人目)の話に耳を傾けた

「設置前と後でいちばん変わったのは、やはりニオイ。朝いちばんで部屋に入ったときの、ムッとするようなこもったニオイがなくなったのです。言うなれば、『ジアイーノ』は“空気の洗濯機”。空間全体が洗われている気がします」。そう語るのは、代表理事の北村由紀子さん。

「動物のニオイだけでなく、どれだけ掃除をしても残っていたカビ臭さがなくなったことにも驚きました。乾燥する今の時期は加湿機能が働くことで、湿度が保たれるのもいいですね」とのこと。「さらにうれしいのが、抜け毛やホコリを集めてくれる集じん機能。最大限かつ効果的に働いてもらいたいので、フィルターは毎日掃除していますよ」と、その効果に満足していることが伝わる答えが返ってきました。

ジアイーノが設置されている室内でくつろぐ保護猫たち

 北村さんは、地域に住む野良猫を捕獲(trap)し、不妊手術(neuter)をし、元いた場所へ戻し(return)、地域猫として見守る活動(TNR)にも取り組んでいます。そのために手術車をセルフメードしたとのこと、その心意気に胸を打たれます。「保護活動で大切なのは、信頼できる人とつながること。その輪が広がった末に、私たちの活動がなくなること自体が、理想のゴールだと考えています」と語ってくれました。

左から「NPO法人 猫の森」がセルフメードした手術車。TNR活動に活用している手術車の内部

ニオイから除菌まで、大きな効果を実感

「NPO法人群馬わんにゃんネットワーク」は、群馬県藤岡市にある豊かな自然に囲まれた一軒家にシェルターを構えています。理事長である飯田有紀子さんが、保護犬猫がくつろげる場所にするべく増改築を加えていて、「ジアイーノ」は1階に4台、2階に1台、計5台が寄贈されています。

「NPO法人群馬わんにゃんネットワーク」の代表理事・飯田有希子さんからさまざまな話しをうかがった。右側にあるのが玄関に鎮座した「ジアイーノ」

 まず玄関を開けたらすぐに「ジアイーノ」が鎮座している姿が印象的です。「この場所にジアイーノを置くことで、新たな飼い主になる方を迎え入れやすくなったと思っています。動物たちを家族に迎え入れようとしている方々が、第一印象として『やはりニオイが……』と及び腰になってしまうのは残念な話。私たちも自信をもって『いらっしゃい』と扉を開けることができます」

「NPO法人群馬わんにゃんネットワーク」には、さまざまな猫たちが暮らしている

 また、猫たちを別々の部屋に分けていて、その部屋にも1台が設置されていました。「空気中の菌を吸い込んでくれるというのがうれしいですよね。目に見えないものなので、どう対応していいのかが不明瞭だったのが正直なところ。運営スタッフのストレスも軽減されました」。パナソニックの技術スタッフからは、「菌を早く吸い込む<強運転>を押すといいですよ」というアドバイスもありました。

設置してあるジアイーノをメンテナンスする

 飯田さんは、「保護犬猫の問題の源は、すべて人間側にあるものですよね」と指摘。多頭飼育の現場で起こっていること、また行政とのやり取りで感じた疑問など、さまざまなことを話してくれました。「私は、『動物の命を救いたい』『動物にやさしい社会をつくりたい』、そんなことをずっと考えているような子供でした。やれることはすべてやるという気持ちで走ってきましたが、少しだけ立ち止まって、本当の意味での解決策をさらに探っていきたい。そんなふうに感じている今日この頃です」

今年も保護犬猫譲渡会を開催、5千人以上が参加

2023年4月にパナソニックセンター東京で開催された譲渡会。元保護犬猫の写真展やチャリティーマーケットのほか、ジアイーノ、HDペットカメラやコードレススティック掃除機など、パナソニックのペット家電を体感できるブースも設置した

 保護犬猫を幸せにすること、さらにはすべての犬猫とその家族の幸せを目指して、パナソニックが保護犬猫の譲渡会を行っているのはご存じでしょうか。今年は4月29、30日の2日間にわたって、東京・有明にて「パナソニック保護犬猫譲渡会2023」が開催されました。開催2年目を迎えて、会場面積は約2倍に。来場者数は延べ約5,300人にも及び、その7割以上が 「譲渡会に初めて参加する」という人々となり、保護犬猫への注目が高まっていることを示唆する場になりました。

 また、何より大きな盛り上がりを見せたのが、保護団体の代表3人によるトークセッションです。登壇した埼玉県の保護猫カフェ「ねこかつ」の梅田達也さん、犬猫たちのためのシェルター「おーあみ避難所」の大網直子さん、千葉県の動物保護ハウス「さかがみ家」の坂上忍さんにより、保護犬猫をとりまく多くの課題が熱く語られ、来場者のみなさんも熱心に耳を傾けていました。

(写真左から)「ねこかつ」の梅田達也さん、「おーあみ避難所」の大網直子さん、「さかがみ家」の坂上忍さんが語り合ったトークセッション

 さらにパナソニックとsippo編集部では、初日の4月29日を「家族と暮らす動物の幸せを考える日(よい にくきゅうの日)」として、一般社団法人日本記念日協会に申請。この日はパナソニックが2022年に初めて譲渡会を行った日でもあり、これからも保護犬猫のための活動を行っていくという思いを込めて制定されました。
 また、2023年秋には大阪でも初めて「パナソニック保護犬猫譲渡会」が開催され、延べ約3,600人の来場者を迎える大盛況のイベントとなりました。ますます広がりを見せるパナソニックの保護犬猫支援の動きには、今後も期待が高まります。

ジアイーノの「ペットエディション」が登場!

保護団体の支援活動の知見も生かしたジアイーノのペットエディション

 これらの支援活動から得た知見も生かして、開発されたのが、「ジアイーノ」のペットエディションです。ジアイーノのマーケティングを担当する田頭さんに、その気になる詳細について教えてもらいました。

「従来品との違いは、大きく3点あります。まず1点目が、保護団体のスタッフの方々はもちろん、多くのペットオーナー様が悩んでいるニオイにフォーカスし、『脱臭機能』を強化させたということ。既存モデルにも<強運転>ボタンはありましたが、それよりも脱臭時間を短縮させた<スピード脱臭モード>を搭載。愛犬・愛猫が粗相をしてしまったとき、また急な来客前などに役立つ機能です。

 2点目は、ワンちゃんネコちゃんが苦手とする『大きな音』に配慮した点です。動物は、花火やカミナリなど突然鳴る大きな音をすごく怖がります。そこで風量アップ時の騒音変化を緩やかにする<シームレス風量切り替え運転>を採用しました。最新モデルを用いた東京農業大学との共同検証では、動物が音に大きく反応することはなく、ジアイーノ周辺でリラックスする様子が確認できています。

 3点目は、ジアイーノはフィルターの掃除が重要なのですが、汚れがたまったお知らせサインとして、保護エレメントに肉球マークが浮かび上がるという遊び心を添えてみました。最大限の効果を得るために、お手入れこそ楽しい気持ちで取り組んでいただきたい。そんな思いを込めたものです」

 さらに、このペットエディションは、売上の一部(1台あたり1,200円)をジアイーノ寄贈先の動物保護団体へ寄付することが決まっています。寄付総額は出荷台数に応じて増える仕組みで、上限は 1,200万円。人間の使いやすさと犬猫の幸せの両方を共存させ、さらにその利益を循環させる仕組みは、今の社会に最も必要な考え方なのかもしれません。

 田頭さんは、こう言います。「ジアイーノという商品を世の中に届けることで、保護団体からの譲渡が一件でも増えればいいなと思っています。そうやって小さな命を救うことで、動物の殺処分という痛ましい社会課題に貢献できればと考えているのです。このプロジェクトはまだスタートしたばかり。継続したものにするべく、より活動を充実させていきます」

 動物にも、人間にも暮らしやすい社会を築きたい――。その考えに共鳴した多くの人が携わることで、ジアイーノのペットエディションは完成しました。製品の寄贈活動や譲渡会の開催、さらには売上に応じた寄付モデルなど、パナソニックの保護犬猫のための活動は少しずつ着実に広がりを見せています。保護犬猫という社会課題を解決し、よりよい社会を築くため、今後、その活動はますます大きくなっていくことが期待されています。

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(文:本庄真穂)

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