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12月は寄付月間 楽しい集まりに“気持ち”をプラスして犬や猫の幸せにつなげよう

 誕生会や食事会などを開くとき、寄付という“気持ち”をプラスするだけで、その会はチャリティイベントに大変身!クリスマスや忘年会、お正月など、年末は人と集まる機会が増える時季です。犬友や猫友、気心の知れた友達、家族や親戚との集まりなどに、犬猫の幸せを願う“気持ち”をプラスしてみませんか?

毎年12月は「寄付月間~Giving December~」

「寄付月間~Giving December~」は、NPOや企業、大学、行政などの主導で2015年にはじまった全国的なキャンペーンです。“欲しい未来へ、寄付を贈ろう。”を合言葉に、毎年12月を寄付月間とし、寄付文化の醸成を目指しています。

 特定の団体への寄付を募るのではなく、一人ひとりが寄付について正しく知って考え、寄付を受ける側が寄付者へ感謝し、互いのコミュニケーションを通して、だれもが幸せになれる未来へつなげます。

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「寄付月間である12月は、実際に寄付の数が増えやすいです。寄付者は個人の方もいれば企業もいますし、子どもや学生さんなど年代もさまざまです」

と、動物関連団体へのオンライン寄付サイトを運営する公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)の代表理事・西平衣里さんは教えてくれました。さらに「寄付を特別なものとして構えたり、しなくちゃいけないと意識したりする必要はありません」と、西平さんは続けます。

「たとえばワンちゃんの誕生会に募金箱を置いたり、愛犬家や愛猫家が集まるイベントの参加費の一部を寄付したり。アニドネでは、犬と猫が大好きな子どもたちが自ら開いた会で集まった募金や、高校の学祭での売り上げを寄付していただいたこともあります。人と集まるとき、そこに犬や猫の幸せを思う気持ちをプラスすることで、楽しい会が社会的意義のあるものにも変わるのです」

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 そうしてみんなの犬や猫を始めとした動物たちへの“気持ち”をかたちにした寄付金は、行き場のない犬や猫のために日々活動している動物保護団体や、犬や猫を救うために動物医療にかかわる活動をしている団体、動物福祉向上のために啓もう活動をしている団体など、応援したい場所へ。それはまさに、ありたい未来への実現につながるものです。寄付先の団体選びが難しいと感じる場合は、寄付したい人と寄付を求めている人とをつなぐ「アニドネ」への寄付もおすすめです。

寄付から生まれるさまざまな“つながり”

 日本での寄付の規模は、東日本大震災やコロナ禍をきっかけに大きくなってはいるものの、イギリスの慈善団体が発表した「World Giving Index」(Charities Aid Foundation、2022年)の世界人助け指数で、日本は世界ワースト2位。寄付文化が根づいているとはいえない状況です。

「特に動物福祉でいえば、いろいろなメディアで取り上げられるようになり、クラウドファンディングなども増えましたが、それでもまだ、寄付も一般的とはいえません」

 そんななかで、いつもの集まりに犬や猫などへの“気持ち”をプラスして、チャリティイベントにすることは、さまざまな“つながり”を生み出し、寄付文化の醸成へとつながっていきます。

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「誰か一人でも募金の提案ができれば、その会に参加した人たちの意識も目覚めます。それがきっかけとなって、普段から寄付をするようになったり、時には同じように会で募金を募ったり、SNSなどで情報を発信したりすることで、同じ思いをもった人たちの輪が大きくなっていく。意義をもって集まることで仲間意識が強くなるとも思います」

 また寄付のかたちは、お金を直接、寄付するだけではなく、寄付付き商品を購入する、という方法もあります。アニマル・ドネーションにも「+イイコト」という、さまざまな寄付付き商品をまとめて紹介するページがあります。買い物を楽しむことが寄付になる、チャリティイベントと同様で、普段の楽しみが社会貢献へとつながっていきます。

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「いい連鎖って、どんどん広がっていくんです。人は、本能的に『ありがとう』って言われるとうれしいんですよね。だれかのためになにかをすることは、人の心を元気に、ポジティブにしてくれます。ボランティアも、時間の寄付であると表現されることがあるのですが、ボランティア活動をすると長生きするという研究報告もあるそうで、実際に、社全体で取り組んでいる企業では、社員の士気が上がったという話も聞きます」

犬や猫の幸せを願って

「寄付月間~Giving December~」では、“寄付は意志、寄付は投資、寄付は応援、寄付は願い。”と表現しています。だれかのために寄付することは、自身が思い描く未来につながっているのです。

 また寄付は、細く長く継続していけると、寄付先の安定した運営を支えることになります。気持ちを大切に、額の大小ではなく息の長い支援が理想なのです。一年の締めくくりとして「寄付月間~Giving December~」に寄付するのはもちろん、誕生日や季節のイベントなどの節目に、犬や猫の幸せを願ってみんなで集まり寄付をする——そんなチャリティの輪を広げてみませんか?

(取材・文/成田美友)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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