秋冬に敏感になるデリケート肌の犬や猫に 皮膚科学から生まれたスキンケアを

犬猫専用のスキンケア「CA SKIN-CARE THEORY」(美馬エージェンシー提供)

「スキンケアは人間だけのもの」、そんな常識を変える時代になってきている。犬や猫の皮膚は人間の赤ちゃんのようにデリケートで、かゆみなどのトラブルが起きると 症状が広がりやすいだけでなく、動物たちの生活の質にまで影響する。とくに紫外線が強く乾燥する秋冬は、肌への外的負担が増えやすいので、保湿で皮膚バリアを守ることが大切なのだそう。

 今回は、商品開発や街づくりを通して、人間の家族として暮らす動物「コンパニオンアニマル」と人との共生社会を目指す、株式会社美馬エージェンシー代表取締役の美馬太郎氏に、犬や猫にスキンケアが必要な理由や、同社が開発した、コンパニオンアニマルのためのスキンケア用品についてお話を伺った。

自身も愛犬家で「犬は家族の一員」と話す美馬代表(美馬エージェンシー提供)

犬や猫の肌はデリケート

――犬や猫のスキンケアを開発しようと思った理由を教えてください。

 きっかけは自分の子供が生まれ、スキンケアの大切さを実感したことです。赤ちゃんの肌は生まれてすぐに保湿を習慣づけてあげることで、刺激や乾燥から肌を守りトラブルを予防することができると言われています。

 犬の皮膚は人間の大人のおよそ3分の1の薄さで、それは赤ちゃんの皮膚と同じくらい。猫に関しては、およそ6分の1で赤ちゃん以上にデリケートです。赤ちゃんの肌に保湿がいいのであれば、皮膚がデリケートな犬や猫にも保湿のメリットは大きいのでは?と感じて、商品の開発を始めました。

――実際に保湿が必要なペットは多いのでしょうか?

 そうですね。たとえば、ペット保険のアニコムの調査(アニコム 家庭動物どうぶつ白書2022)では、動物病院の犬の保険金請求割合の第1位は、かゆみやアトピーなどを含む「皮膚疾患」だということがわかっています。こうした肌の不快な症状は、皮膚バリアが壊れて起きることが多く、保湿で皮膚バリアを保護する習慣をつけることで予防できると考えられています。家族の一員である動物たちがすこやかで快適に暮らせるよう、わんちゃんや猫ちゃんとの暮らしでスキンケアの習慣を取り入れる飼い主さんが増えてほしいと思っています。

短毛種であるほど、皮膚が乾燥や紫外線の影響を受けやすい。また春と秋に訪れる換毛期では、皮膚のトラブルが起こりやすいという(美馬エージェンシー提供)

――スキンケアを始めるのに適切なタイミングはありますか?

 基本的には皮膚のトラブルが起きてからではなく、若いうちからケアをして肌バリアを守りつづけることが大切だと思います。そのためには、スキンケアをサロンのようなスペシャルケアととらえるよりも、毎日のスキンシップの延長でケアの時間をつくって肌をチェックしてあげるのが理想的ですね。その上で、紫外線が強く、湿度が下がって空気が乾燥する秋冬は、皮膚がダメージを受けやすいため、よりしっかり肌の調子を気にかけてあげてほしいです。

人間の皮膚科学を応用

人間の皮膚科学を応用して作られた犬猫専用のスキンケア「CA SKIN-CARE THEORY」(美馬エージェンシー提供)

――犬や猫専用に開発された、「CA SKIN-CARE THEORY(コンパニオンアニマル スキンケアセオリー)」について、教えてください。

「CA SKIN-CARE THEORY」は、皮膚科医師とヤマザキ動物看護専門職短期大学の獣医師・グルーマーの監修のもと、人間の皮膚科学の理論を応用して作られたスキンケア用品です。余計なものは入れず、人間の赤ちゃんにも使える肌にやさしい天然由来成分で高い保湿作用を実現しており、デリケートな犬や猫の皮膚にも安心して使っていただけます。

――人間にも使えるというのは飼い主の立場から見て安心ですね。

 実際、僕も自分のスキンケアに使っています(笑)。ただ、犬や猫は人間と違い、被毛がありますから、被毛の中の地肌に届いてきちんと保湿できるかどうかが重要です。「CA SKIN-CARE THEORY」は泡タイプで乾いた被毛に直接使い、地肌まで届ける「エッセンシャルフォーム」と、入浴剤のようにお湯に溶かして使う「エッセンシャルバス」の2種類があります。地肌に届いて保湿することはもちろん、わんちゃん、猫ちゃんに心地よく使えることを考え、表面の被毛をふわふわに整えることや、ベタつかない設計を意識しています。

エッセンシャルバスは、愛犬行きつけのサロンに持ち込む方も多いのだそう(美馬エージェンシー提供)

――2種類のスキンケアはどのように選べばいいでしょうか?

 どちらか一つを選ぶというよりは、シーンによって使い分けていただくのがおすすめです。「エッセンシャルフォーム」は毎日 のスキンケアとして使い、「エッセンシャルバス」は週に1度の全身保湿入浴として、また、シャンプー後のかけ流し保湿ケアとして使用してください。保湿は毎日の積み重ねが大切なので、どちらか一つを選ぶのであれば「エッセンシャルフォーム」を日々のケアに取り入れていただきたいですね。

――犬の皮膚はオイリーにもなりやすく、季節によっては乾燥するという印象もありますが、すべての犬や猫に保湿が必要なのでしょうか。

 人間も年間を通して保湿が大切であるように、皮膚科学的には犬や猫も、どんな時期でも保湿は大切です。オイリーな状態になるのは、皮膚が異常を起こして脂を出してしまっていることが原因なので、清潔にして保湿をし、皮膚のバランスを整えることが重要なんです。

 また、乾燥肌やかゆみのような、肌トラブルの予兆が出る前の予防としても保湿は有効です。ただ、乾燥が必要な治療の場合は使用をお勧めしません。かかりつけ医へご相談ください。

――香りはありますか?

 ティーツリー葉油を適量配合を1%未満配合しており、ほのかなティーツリーの香りがします。

スキンケアで人も動物も幸せに

――愛用者の方からはどのような声が届いていますか?

 特に多いのは、 「ペットサロンや動物病院で紹介されたものだから、安心して使える」という声ですね。

国内の工場で作られているメイド・イン・ジャパン(美馬エージェンシー提供)

――商品に込めた思いを教えてください。

「CA SKIN-CARE THEORY」のCAは、「コンパニオンアニマル」を意味しています。「コンパニオンアニマル」とは、犬や猫をたんなる愛玩動物と捉えるのではなく、人間の対等なパートナーと捉える考え方です。ある研究では、コンパニオンアニマルの存在は、人の精神や健康にいい影響をもたらすという結果が出ています。少子化の現在、人間の家族の代わりにコンパニオンアニマルと暮らす人は増えていますから、動物たちのQOL(生活の質)の向上は、共に暮らす人間、ひいては社会全体の幸せにつながると私は考えています。

 スキンケアはそのきっかけづくりのひとつ。「皮膚の健康」は、犬や猫が健やかに暮らすためのベースとなりうるものです。また、スキンケアを介して愛犬や愛猫とのスキンシップの時間を持つことは、人間の家族にも幸せをもたらしてくれます。愛犬や愛猫のためにごはんを選んだり、トリミングサロンに通ったりするのと同じように、スキンケアという考え方も広がってくれればうれしいですね。

CA SKIN-CARE THEORY 公式サイトECサイト

原田さつき
広告制作会社でコピーライターとして勤務したのち、フリーランスライターに。SEO記事や取材記事、コピーライティング案件など幅広く活動。動物好きの家庭で育ち、これまで2匹の犬、5匹の猫と暮らした。1児と保護猫の母。猫のための家を建てるのが夢。

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