人気ユーチューバー画家の愛猫たち 自然に囲まれたアトリエは2匹の遊び場

いつでも遊んでもらえる姿勢でスタンバイするマロン。スマホとスタンドは動画の収録に使用するもの

 今をときめく人気ユーチューバーの水彩画家・柴崎春通さんの愛猫マロン(3歳♂)とトマト(2歳♀)。自然に囲まれた眺めのいい30畳のアトリエは、2匹が遊び寛くつろぐお城なのです。

(末尾に写真特集があります)

目の前は田んぼ

 柔らかな光が差し込む大きな窓が三方にあって、そこから見えるのは、新緑と田んぼと青い空。なんと気持ちのよいアトリエだろう。「ボクんちへようこそ」と、長い尻尾をピンと立ててフレンドリーに迎えてくれたのは、縞々の入った茶トラのオス猫、マロンだ。相棒の三毛猫トマトは物陰から、そっと覗いている。

 ふだん、2匹が出入り自由の遊び場としているこのアトリエの主は、水彩画家の柴崎春通さん。御年75歳で、親愛を込めて「おじいちゃん先生」と呼ばれる大人気のユーチューバーでもある。人気の秘密は、快活な人柄と優しく丁寧な語り口の描き方指導にある。「描きながら考える。細かく描き込まない」という自由さも受けている。動画に映りこむ猫たちのファンも急増中だ。海外の視聴者も多く、チャンネル登録者数は166万人を超えた。

誰でもウエルカムなマロン

 「ごはん係は家内だけど、2匹は僕のそばが好きだから、絵を描く時間はここにいます。走り回ったり、転がったり、『遊ぼう』と鳴いて僕を誘ったり。子猫の時は、絵を描いてる最中の絵筆をチョイチョイされたけど、大きくなってからは邪魔はしません。僕が真剣に描いているのが、ちゃんとわかっているんですね。賢いね」

山から来た子猫

 柴崎さんが息子さんに勧められてYouTubeを始めたのは6年前だ。いつも「こんにちは。柴崎です。お元気ですか?」という快活な挨拶に始まる。しかし、ときどき動画に登場していたキジトラのメス猫アンちゃんを見送った報告をする、3年前の柴崎さんはとてもつらそうだった。

 それからしばらく後、ノートにクレヨン画の紙芝居動画が、公開される。何やら嬉しそうな表情と口調で。

「雨の日、町に買い物に行った帰り、山道で、車の前を何かがピューッと飛ぶように走っていったんです」

「これ、ボク?うん、カッコいい!」YouTube:Watercolor by Shibasaki
Twitter@shibasaki_art Instagram:shiba_watercolor

 飛んでいったものは、翌日判明する。山道を下りてたどり着いたこのアトリエの前で雨宿りしていた、ずぶ濡れの子猫だった。

「アンちゃんの生まれ変わりと思うこの子は、家族になりました」と、動画は柴崎さんの満面の笑顔で終わる。

「このおうちの子になる!」と自分で決めて秋の山からやってきた栗色の子、それがマロンだ。

 手足や尻尾がすらりと長く、運動神経も抜群で、アトリエでのびのび遊ぶマロンはたちまち視聴者たちの人気者に。ちょっと登場しないと「マロンちゃんは元気ですか」とコメントが相次ぐ。

おっとり猫がやってきた

 マロンがやってきた1年後。「今日はあなたに、特別なうれしいお知らせがあるんですよ」と、ワクワク顔の柴崎さんが、動画をアップ。「それはね」と、そばにあるミニ毛布をそーっとめくると、ケージに入ってポワンとした表情の白毛が多めの三毛の子が現れる。

「色白で、心は真っ赤なトマトちゃんです。よろしくね」

絵筆の洗い場に陣取ったトマトちゃん

 マロンちゃんの遊び相手にと、知人からもらい受けた子だった。

 社交的なマロンちゃんと対照的に、トマトちゃんは人見知りのおっとりさん。手足が短めなところが、これまた可愛い。運動能力ではマロンちゃんに太刀打ちできないが、食い意地では負けず、マロンちゃんの分も横取りするトマトちゃん人気も上がってきた。

「最近では『動物の描き方を教えてください』というリクエストや『うちの猫の絵を描いてみたい』という声が多いんですよ。動物の中でもやはり猫は描きがいがありますね。全身にしなやかさと神秘性が満ちていて。おうちの猫を描くポイントは、ただ可愛く描くのではなくて、その子の性格を出せるといいですね」

お父さんのおやつは横取りしない。「ボクのおやつはまだ?」

「マロンちゃんを描いてみた」の巻は「いつ遊んでくれるの」と言いたげに、鉛筆を持つ手が止まるのを待つ表情がポイント。「トマトちゃんを描いてみた」の巻は、ピンクの鼻先や丸っこい姿におっとり感を出したという。

今を楽しむ場所

 少年時代は、山を駆け、川で遊ぶガキ大将だったという柴崎さん。40代の頃は、バックパッカーとして各国を巡り、垣根を作らない交流の楽しみを知った。60代から何度かの大病を潜り抜けてこその、「今を楽しく生きよう」という思いがある。同じく、楽しいことや心地よい場所を見つける達人で、いつだって「今を生きる」猫たちと波長が合うのは当然だ。

 心地よい風が吹き、キラキラと陽光が降り注ぎ、思い思いに好きな時間を楽しむ。この田園のアトリエは、柴崎さんと猫たちの「じまんの我が家」なのである。

(文・佐竹茉莉子 写真・芳澤ルミ子)

辰巳出版が隔月で発行している猫専門誌です。猫愛にあふれる企画や記事の質に定評があります。

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