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犬の飼い主にとって多くの共感や学びを享受できる漫画『DOG SIGNAL』(KADOKAWA提供)
犬の飼い主にとって多くの共感や学びを享受できる漫画『DOG SIGNAL』(KADOKAWA提供)

あふれる愛 30年越しの思いから生まれた愛犬家必読の漫画『DOG SIGNAL』

 2018年7月よりウェブ漫画誌「COMIC BRIDGE」(KADOKAWA)で連載されている『DOG SIGNAL』は、大の愛犬家である漫画家・みやうち沙矢先生による、新米ドッグトレーナーの成長を描いた漫画。個性豊かな犬たちと、さまざまな悩みを抱える飼い主たちとが織り成すエピソードは愛犬家の共感を呼び、今秋にはアニメ放送もはじまります。大人気作品の背景にある“犬愛”ついて、みやうち先生に話を聞きました。

近所中の犬の分布図を作成していた幼少期

『DOG SIGNAL』は、元カノから犬を押し付けられた主人公・佐村未祐と、腕利きドッグトレーナー・丹羽眞一郎との出会いからはじまります。未祐の愛犬はトイ・プードルの「サンジュ」、眞一郎の愛犬はスタンダード・プードルの「ウルソン」で、それぞれ、みやうち先生の愛犬である「う~き」(通称・兄くん)と、「た~坊」(通称・坊ちゃん)がモデルになっています。

『DOG SIGNAL』1巻の表紙。描かれているのは、ドッグトレーナー・丹羽眞一郎と愛犬のウルソン(KADOKAWA提供)

 みやうち先生が兄くんと坊ちゃんと暮らしはじめたのは約15年前。それまでにも、みやうち先生の人生に、犬はなくてはならない存在でした。記憶に残っている最初の犬は、幼稚園児の頃に実家で飼っていた雑種犬「ペロ」。ただペロは、みやうち先生が小学校に上がる前に、突然亡くなってしまったといいます。

 以来、「死んだらかわいそうだから」と犬を飼うことを許してもらえなかったみやうち先生。それでも犬が大好きで、犬との暮らしをあきらめきれず、捨て犬を拾って帰ったこともありました。

みやうち先生の愛犬「う~き」(右)と、「た~坊」(みやうち沙矢先生提供)

「でもどうしても飼ってもらえなくて。最終的には、近所中の犬の写真を撮ってアルバムに貼り、犬の分布図をつくってなんとか気持ちをおさえていました」

 小学生時代のこのエピソードは、『DOG SIGNAL』にも登場します。それほどまでに、幼い頃から「犬と暮らしたい」と思い続けたみやうち先生の願いが叶ったのは高校3年生のとき。ブリーダーをしていた叔父からの卒業祝いとして、シェットランド・シープドッグを譲り受けました。

「それはもううれしかったですね。私にとって初めてしっかりと向き合える愛犬ですから。その後、兄くんと坊ちゃんに至るまで、歴代5匹の犬と暮らしてきました。犬に惹(ひ)かれるのは、心をストレートに交換できるところ。人間には言葉があるうえに、その裏まであってややこしいじゃないですか」

トリマーから漫画家の道へ

 高校を卒業したみやうち先生は、小学生の頃からの夢だったトリマーになるため専門学校に入学。在学中に資格を取得し、トリマーとしてアルバイトをするなど経験を積んでいきます。

 一方で、絵を描くことが好きだったみやうち先生は、日々の暮らしのなかで感じるさまざまなことを漫画で表現するように。トリマーとしての勉強と並行して、作品を定期的に投稿していました。その結果、1988年に漫画家としてデビュー。トリマーとは別の道を歩みはじめることになったのです。

「そうは言っても、犬が好きな気持ちに変わりはありませんから、デビューしたときから、漫画家としてなにかしら犬にかかわる仕事がしたいと思っていました」

『DOG SIGNAL』の単行本は現在1~9巻まで発売中。10月6日に最新10巻が発売予定(KADOKAWA提供)

 デビュー当時、編集部の方針で恋愛ものの連載作品を描いていたみやうち先生でしたが、犬をテーマにした作品を描きたいと、機会を見つけては企画を出し続けたそう。しかし需要がないからと断られ続け、いくつか読み切り作品を発表したことはあったものの、連載作品を描く機会には恵まれませんでした。

 転機が訪れたのは2018年。KADOKAWA「COMIC BRIDGE」の編集者と出会ったことをきっかけに、『DOG SIGNAL』の連載がはじまります。みやうち先生が漫画家としてデビューしてから30年が経っていました。

飼い主のリアルが詰まった漫画に

『DOG SIGNAL』では、みやうち先生が愛犬たちとの暮らしで体験した“リアル”を描いています。

「たとえば、ジャックラッセルテリアが引き出しを開けて、中から引っ張り出したものを誤食してしまうエピソード(第23話)は、兄くんが実際にやらかしたことだし、耳が突然聞こえなくなった柴犬に飼い主がハンドシグナルを教えるエピソード(第27話)は、坊ちゃんの耳が数カ月間、聞こえなくなったときに、私が試行錯誤したことをもとに描きました」

犬のためにできる限りのことをしたが、愛犬の知能レベルは想像を超えて高く、誤食をしてしまったシーン。『DOG SIGNAL』第23話より(KADOKAWA提供)

 みやうち先生は、「私はトレーニングの先生ではないですから、小難しく教えるという目線じゃなくて、“こんなこともあるよね”っていう、いち飼い主としての目線を大事にしています」とも話します。

命にかかわる靴ひもも飲んでおり、緊急手術に。無事終えたとの知らせが飼い主のもとへ届いたシーン。『DOG SIGNAL』第23話より(KADOKAWA提供)

 犬と暮らす喜びや愛犬たちのために学んできたことはもちろん、愛犬家なら思わず「わかる」「あるよね……」と言ってしまう失敗や反省も含め、漫画で表現するみやうち先生の飾らない“犬愛”こそ、『DOG SIGNAL』が愛犬家の共感を呼ぶ理由でもあります。

犬のシグナルを見逃さない

 いち飼い主として、みやうち先生が愛犬との暮らしで心がけているのは、とにかく犬をよく見ること。タイトルの『DOG SIGNAL』には、犬が発するシグナルを見逃さず、すべての飼い主と愛犬がより楽しく、より幸せに暮らせるようになってほしいという願いが込められています。

「自分が寝ているとき以外はずっと見ているし、ずっと話しかけています。寝ている犬に向かっても話しかけますね(笑)。そうしていると、犬からのシグナルを受け取れるようになって、心が通じ合うのを実感します。言葉は交わさなくても会話が成り立ち、仕事場で人間は私ひとりだけだけど、全然そんな気がしません」

 今年で『DOG SIGNAL』の連載がはじまって5年。兄くんと坊ちゃんは15歳になり、みやうち先生の歴代愛犬の最高年齢を更新しました。言い替えると、みやうち先生にとってこの5年間は、愛犬たちの老いの過程を目の当たりにした時間でもありました。

愛犬たちと散歩をするみやうち先生(みやうち沙矢先生提供)

 9歳と11歳の時にガンを克服して15歳を迎えた兄くんでしたが、今年の春、大きな病気が発覚。主治医に告げられた余命期間を超えて力強く生きたのち、空へと旅立ちました。

「最後はトイレに立った私を走って追いかけてきて、腕の中に倒れ、そのまま息を引き取りました。見事な最期でした。そんな兄くんと15年も一緒にいられた私は幸せ者です」

 みやうち先生は、「もちろん悲しいけれど、後悔はない」とも言います。

「命あるものが老いるのは仕方のないこと。飼い主にできるのは、愛犬が幸せを感じる時間をいかに延ばしてあげられるか。目の前にいる愛犬が元気だとしても、それは永遠に続くものじゃありません。だからこそ、愛犬と一緒にいられる“いま”を大事にしています。今後は、そういう話も描いていけたらいいなと考えています」

■お知らせ
今後、sippoにて『DOG SIGNAL』より厳選した4話を公開していきます。どうぞお楽しみに。
・10月16日(月)=第1話 テーマ:佐村未祐と丹羽眞一郎の出会い
・10月23日(月)=第2話 テーマ:アイコンタクト/名前の呼び方
・10月30日(月)=第7話 テーマ:分離不安
・11月6日(月)=第22話 テーマ:シニア犬との暮らし
※7話と22話は2024年3月31日までの期間限定公開

みやうち沙矢

漫画家。ロイヤルグルーミング学院卒業。1988年、漫画家デビュー。2018年より、KADOKAWA「COMIC BRIDGE」にて、ドッグトレーナーの成長を描く『DOG SIGNAL』を連載中(2023年10月22日よりNHK Eテレにてアニメ放送開始予定)。その他の作品に『あたしとハサミは使いよう』『キミノココロボクノココロ』『永遠のウィズ』などがある。
DOG SIGNAL 1
著者:みやうち沙矢
発行:KADOKAWA
コミック:194ページ
本体価格:715円(税込み)
オフィシャルサイトはこちらAmazonはこちら

(取材・文/成田美友)

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