ネコ不妊手術、将来は注射1回に? 米ハーバード大など臨床試験計画
外科手術が一般的となっているペットのネコや地域ネコの不妊処置について、米ハーバード大などの研究チームは、1回の注射で長期間の不妊効果をもたらすことに成功したと発表した。
チームは不妊薬として米当局の承認に向けた臨床試験を計画中。ネコの負担を減らしつつ、効率的な個体数管理が可能となるかもしれない。
一方、ハーバード大のデビッド・ペパン博士によると、承認には5年以上かかるとみられる。「飼い主のみなさんに伝えたいのは『我慢してください』。今はまだ使えないので、不妊手術を勧めます」とコメントしている。
チームによると、世界中で約6億匹のネコがペットとして飼われている。日本国内の推計飼育頭数は、ペットフード協会の2022年の調査によると約883万7千匹。
ネコが無計画に増えてしまうことや、性ホルモンに関わる病気になることなどを防ぐために、雌では不妊手術、雄では去勢手術をするケースが多い。
ペットだけでなく、特定の飼い主がいない地域ネコの適切な個体数管理のためにも手術が施される。
ただ、雌の不妊手術はおなかを切る必要があり、個体への負担が大きい。獣医師が手術できる数にも限りがある。このため、安全で効率的な方法が求められている。
チームは、ネコやヒトの体内で分泌されている、卵子の成熟を抑える働きがあるホルモンに着目。ホルモンの血中濃度を高く保てれば、不妊の状態を維持できると考えた。(野中良祐)=朝日新聞デジタル2023年06月16日掲載+09:00>
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