大人気製菓ブランド「ミトラカルナ」 アイロニックな2匹の猫はどこからやって来た?
タラリと垂れるヨダレにニヤリとした表情はどこかアイロニックで、見るほど味わい深くもあり、そしてカワイイ……。販売がはじまるとまたたく間に売り切れる大人気菓子ブランド「ミトラカルナ」のパッケージなどに登場する2匹の猫は、いったいどこからやって来たのでしょうか。モデルとなったリアルな猫たちに迫ります!
茶トラ猫の「キビ」とハチワレ猫の「あむ」と「ふう」
卵、乳製品などの動物性食材や白砂糖不使用で、米粉や有機小麦粉、ハーブなどがふんだんに使われているミトラカルナの焼き菓子は、ふるやまさこさんが一つひとつ丹精込めて作っています。そして、パッケージやオリジナルグッズに度々登場する2匹の猫を描いているのは、妹のレムさんです。
「ミトラカルナの2匹は、愛猫がモデルになっています。茶トラの『キビ』は、モノクロのイラストでは白色に、もう一匹のハチワレ猫は、『あむ』と『ふう』を合体している感じなんです。キビは昨年亡くなっていますが、13歳のあむとふうは今も私と一緒に暮らしています。もう、すっごくカワイイですよ!」(レムさん)
「動物が大好きで。たぶん生まれる前から好きだったんだと思います(笑)」とレムさん。姉妹は、とりわけレムさんはヴィーガンになるほどの動物好き。ミトラカルナが動物性食材を使わないのも、ふたりの動物に対する思いがあってのことなのです。
「子どものころからずっと犬が飼いたくて、でも父が許してくれなかったんです。何度も交渉しては決裂し、『しつこい!』と怒られることもしょっちゅうでした。そんな折、真っ黒な野良猫が近所に現れるようになり、『タンゴ』と名づけました。タンゴは地域の人気者で、私もタンゴとかかわることで、どんどん猫に魅了されていきました。最終的にはうちの飼い猫となり、最期もわが家で看取りました。タンゴは父の前でだけは礼儀正しくて(笑)、すごくお利口にしていましたね」
それから年月が過ぎ、姉妹でふたり暮らしをすることになったとき、「猫を飼おう!」と迎えたのが、SNSで飼い主を募集していたキビでした。
来てから4日間鳴き続けていたというキビも、少しずつふるやさんの家での暮らしに慣れていき、慣れるほどに“超”がつくほどの甘えん坊になっていったといいます。迎えて1年くらいが経つと、猫のいる暮らしも落ち着いてきたことに加え、仲間がいたほうがキビも楽しいのではと、新たに猫を迎えることを考えた始めたレムさん。そうして迎えたのが、ハチワレ猫の「あむ」と「ふう」でした。
あむとふう、2匹は似ているけれど、きょうだいではありません。最初にあむを、次いでふうが家族になりました。野良猫だったタンゴとのよい思い出もあり、またペットショップやブリーダーに疑問を抱いていたというレムさんにとって、「迎えるのであれば保護猫から」というのは自然なことだったそうで、あむは個人から、ふうは保護団体から迎えています。とはいえ実は、当初ふうは、家族になる予定ではなかったといいます。
保護猫譲渡会でのチャリティー販売
「ふうを保護していた保護団体からお声がけいただいて、猫型クッキーを焼いて、譲渡会で時々チャリティー販売をすることがありました」とまさこさん。そしてふたりは、猫型クッキーのチャリティー販売から一歩踏み込み、預かりボランティアにも手を挙げます。そうして預かり猫としてやって来たのが、3匹目のふうでした。
「でも、ダメだったんです。衝撃的なかわいさで(笑)。来てすぐに家のトイレでおしっこをして、警戒どころか夜は私の首の上でぐっすり寝ていて、これは無理だね、もう返せないねって、次の日には『うちで飼います』って伝えていました」(レムさん)
キビとあむとふうは、それぞれ互いに程よい距離で上手くバランスをとりながら過ごしていたといいます。とはいえ3匹にとって、誰よりも好きなのはまさこさんとレムさん。猫同士よりも、対飼い主との関係を強く求めたといいます。
「あむは最初のころこそキビに甘えていましたが、キビ的には『なんだこいつ』って感じでした。キビは私に甘えたい。でも甘える姿をあむに見せたくないようで、違う部屋で鳴いて私を呼ぶんです。行くとデレッデレに甘えて(笑)。そこにあむが入って来るとフイッと離れて、『別に甘えてないし』みたいな顔をするのが本当にかわいくて。ツンデレのツンデレデレという感じの子で、おかしかったですね」(レムさん)
結果的に、甘えてくる猫たちの姿に、ますます愛が深まったというレムさん。「みんな異常に甘えん坊で、大変だけど、結局みんなカワイイので。もう、いてくれるだけでいい。毎日毛をさわれるっていう幸せ感はすごい!」と、心から幸せそうに話します。
姉妹にインスピレーションを与える猫たち
飼い主と相思相愛、幸せに暮らす猫たちは、ミトラカルナに登場する猫のイラストがそうであるように、姉妹の仕事や創作活動に、多くのインスピレーションを与える存在でもあります。
「例えば、『ニャーのうんち』というお菓子は、仕事から帰宅して、お留守番してくれていた猫のうんちを見て生まれたものなんです。うんちは健康のバロメーターですから、見ると安心して、いとおしくすら感じたことから制作へとつながりました。他にも、1枚1枚違った猫の表情を描いた『ねこっつら』というお菓子もあります。猫と接する中でインスピレーションをたくさんもらいました」(まさこさん)
イラストを描いたりグッズの制作をしたりと、自宅で過ごす時間が多いレムさんもまた、ものづくりのインスピレーションは「かわいくてしかたない」と溺愛する猫たちからもらっています。
「猫がそこにいてくれるって、本当に幸せ。2匹とも年をとってきて、体調がすぐれない日は心配にもなるし、動物病院通いばっかりしているなって感じるときもあるけれど、それでも、手を伸ばせばもふもふがそこにいて、いつも私のことを見てくれている。たまらなく大好きだなって思います」(レムさん)
まさこさんがつくる焼き菓子や、カワイイあむやふうの姿は、インスタグラム @mitorakarunaと@___remlimsha___でも見ることができます。
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