犬や猫「健康診断を受けている」8割 回数は年1回が半数超〈アンケート結果〉
みなさんと一緒に暮らしている犬や猫は、健康診断を受けていますか? また獣医師は、健康診断を受けたほうがよいと考えているのでしょうか?
sippoと動物臨床医学研究所(鳥取県)は2021年10~11月、飼い主と獣医師を対象に「健康診断」に関する共同アンケートを行いました。回答数は、飼い主が104人、獣医師が24人。質問内容はそれぞれで異なっており、今回はその結果をご紹介します。
多くが健康診断を受けさせるものの、料金などに迷う飼い主も
飼い主さんに「いま一緒に暮らしている犬や猫は、動物病院で定期的に健康診断を受けていますか」と尋ねたところ、8割以上の方が「受けている」と答えました。
さらに、健康診断を受けていると答えた方には「年に何回受けているか」を聞きました。年に1回という方が多い結果となりました。
一方、「健康診断は受けていない」と答えた飼い主さんに、その理由について当てはまるものを選んでもらいました(複数回答可)。すると、「関心はあるが、料金が高い」「獣医師から勧められたことがない」が多く、「犬や猫の健康診断は必要ないと思う」と答えた方はいませんでした。受けた方がいいとは思っているけれど、料金面で悩んだり、どの検査を受けるべきか迷ったりしている方が多いのかもしれません。
獣医師「健康診断を受けるのが望ましい」95%
獣医師には「犬や猫が年に1回以上、動物病院で健康診断を受けるのが望ましいと思いますか」と聞きました。「望ましいと思う」が23人(95.8%)、「望ましいと思わない」が1人(4.2%)でした。
「望ましい」と答えた獣医師に、その理由を選んでもらいました(複数回答可)。その他を除くと、「健康な時の体の状態を知れるので、万が一病気になったときに役立つ」が8割を超えました。普段から健康をチェックしておくことが大事だと考える獣医師が多いことが分かりました。
加えて、「おおむね何歳になったら健康診断を年に2回受けるのがよいと思うか」も問いました。小型犬は10歳が一番多く、中型犬、大型犬、猫は8歳が最も多くなりました。
自由回答では、受診頻度や内容に悩む飼い主の姿も…
アンケートでは、飼い主さんに、健康診断について獣医師に聞いてみたいことを自由回答で尋ねました。以下のように、健康診断の頻度とどの検査を受けるべきかについての質問、さらに検査結果をもとにアドバイスを求める声が寄せられました。
・健康診断は、どれくらいの範囲で受けるのが適切でしょうか。
・受診頻度や診断項目。
・血液検査以外、定期的にしたほうがよいことはありますか?
・どういう点に注意すれば健康で長生きできるのか。健康診断の結果をふまえながらアドバイスしていただきたい。
・数値的な説明だけでなく、肥満度や歯周の健康度なども示して欲しい。その上で、アドバイスもいただけるとうれしいです。
また獣医師には、健康診断で病気が見つかった例について聞きました。24人中、17人の獣医師が事例を挙げてくれました。その一部をご紹介します。
・犬および猫において、慢性心疾患および腎臓病を早期に検出することができ、治療へとつながった。
・気づいていなかった腎不全、低アルブミン血症、甲状腺疾患、栄養の偏りが見つかった。
・他院で見逃していた先天性疾患の発見。腫瘍(しゅよう)疾患、心臓疾患、内分泌異常、外部・内部寄生虫、肥満、削痩など栄養性疾患。
sippoはこのアンケートに基づき、健康診断をテーマに獣医師に取材した記事を公開しています。そちらも合わせてご覧ください。
※飼い主へのアンケートは2021年10月18~31日、sippoサイト上で実施しました。獣医師へのアンケートは21年10月18日~11月14日に行い、動物臨床医学研究所に所属する獣医師に送信しました。
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