愛犬のケガ・やけど、飼い主ができる応急措置 早く動物病院へ
犬は屋外でも素足で歩きます。クッションの役割を果たす肉球があるとはいえ、何か落ちていて踏んでしまうかも分かりません。飼い主が注意して危険な場所や物を避けるのはもちろんですが、もし万が一ケガをしてしまったら…。ケガややけどをした時に飼い主ができる応急手当の方法をご紹介します。なお、なるべく早く動物病院で受診するのが良いのはいうまでもありません。(監修:若山正之獣医師、「まるごとわかる犬種大図鑑」より)
犬のすり傷は、水道水で洗い流してから指先で止血
すり傷の手当てで大切なことは傷口を清潔に保つことです。まず患部を水道水で洗い流してきれいにし、傷口を指先で圧迫します。出血が止まるようなら、消毒液を塗ります。このとき、患部の周辺の毛をハサミで短く刈ってもよいでしょう。
もし、指で圧迫しても出血が止まらない場合は、すり傷ではありません。傷が深いと判断し、ガーゼを2〜3枚重ねて患部に当ててから包帯で巻き、できるだけ早く動物病院に向かいます。
犬の刺し傷は、小さければ抜いて消毒、大きなものは病院へ
刺し傷の場合、傷口は小さくても、傷が奥まで到達していることがあるため、化膿させないように注意します。トゲやガラスの破片など小さなものが刺さった場合は、毛抜きやピンセットで異物を抜いてから、傷口の周辺を圧迫。傷口を水で洗浄してから消毒液を塗ります。
木の枝などが刺さっている場合は、抜かずに包帯で固定して動物病院へ。抜けている場合は傷口にガーゼを当て、きつめに包帯を巻いて病院へ行きます。
犬の創傷は汚れを落としてから包帯を巻いて病院へ
「創傷(そうしょう)」とは皮膚や粘膜が断裂しているような状態の傷のこと。まずはハサミで周辺の毛を短く刈って観察します。傷口が浅い場合は消毒液を脱脂綿に含ませて、付着物をとり除きます。
一方で傷口が深く、汚れている場合は、ホースで水道水をかけ、洗い流します。どちらの場合も、傷口がきれいになったら、ガーゼを当てて包帯で固定して動物病院へ。このとき、傷口を覆い、犬が傷口に触れないようにしましょう。
犬のやけどは流水で冷やすのが基本! 範囲にも留意する
やけど(熱傷)のレベルは軽症から重症まで4段階あります。原因はホットカーペット、熱湯などさまざまですが、どんなレベルでも、できるだけ早く流水などで冷やすことが第1です。チャートを参考にして、適切な処置をしてください。
また、やけどの範囲にも注意をはらいましょう。たとえレベル1のやけどでも、広範囲にわたる場合は命にかかわります。大至急、病院へ行きましょう。
◇やけどのレベル
- 熱傷レベルⅠ 表皮が赤くなり、じくじくした状態になる
- 熱傷レベルⅡ 真皮に達して水疱ができ、じくじくした状態になる
- 熱傷レベルⅢ 真皮がえぐられた状態。糜爛(びらん)が見られる
- 熱傷レベルⅣ 皮下組織にまで熱が達している。細胞の再生が不可能な壊死
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- 「まるごとわかる犬種大図鑑」
- 監修:若山正之/写真:藤原尚太郎
発行:学研プラス
判型:A5、242ページ
定価:1500円+税
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