キャリアチェンジ犬にも“第二の人生”を 補助金交付で支援

キャリアチェンジ犬「ノイアー」と飼い主の高松さん親子(左)
キャリアチェンジ犬「ノイアー」と飼い主の高松さん親子(左)

 介助犬に向かないと判断された「キャリアチェンジ犬」に活躍の場を――。愛知県長久手市は、体が不自由な人の生活を手助けする介助犬の総合訓練センター「シンシアの丘」(同市福井)の事業に、ふるさと納税を活用して集めた寄付で補助金を交付することを決めた。

 センターを運営する社会福祉法人「日本介助犬協会」(横浜市港北区)によると、全国で活躍している介助犬は65頭だが、約1万5千人が介助犬を必要としているとみられる。

 センターでは、ゴールデンレトリバーやラブラドルレトリバーなど年間30~45頭が生まれる。そのうち10~15頭が1歳から訓練を受け、実際に介助犬になれるのは3割以下という。

 介助犬は持って生まれた性質が最も大切で、乗り物や人混み、雷などが苦手と判断される犬もいる。その場合、介助以外で活躍できる場を探す。同協会では、その一つとして、新たに「with youプロジェクト」を立ち上げた。キャリアチェンジ犬の中から障害や介護などの困難を抱える人やその家族をサポートする犬を譲渡する取り組みだ。

 犬山市の高松昭子さん(43)は2017年、知的障害がある三女の佑女花(ゆめか)ちゃん(8)=一宮東特別支援学校小学部2年=のためにキャリアチェンジ犬についてセンターに相談。「ノイアー」(オス)を紹介された。

 ノイアーは、環境の変化に敏感で、介助犬になって新しい場所へ行くことは得意ではないと判断された。だが、人と接するのが大好きで、おおらかな性格なのでマッチングしたという。

 ノイアーが来るまで昭子さんがつきっきりで世話をしていた佑女花ちゃん。いまは、ノイアーと一緒に遊んだり、添い寝をしたりするようになった。寝起きもよくなり、犬の世話も自分から進んでするなど成長。昭子さんは長女と次女と過ごす時間もでき、「我が家にとってのセラピー犬」と喜ぶ。

 介助犬の育成には1頭あたり240万~300万円が必要とされる。介助犬には国や県などからの助成金があるが、キャリアチェンジ犬には公的な補助がなく、ほとんどが寄付で賄われているのが現状だ。

 長久手市は2017年12月、「日本一の福祉のまち」を目指し、市内の社会福祉法人の事業に対し、ふるさと納税で補助金を交付する「ふるさと応援活動支援事業補助制度」を創設。補助制度を活用し、8月からキャリアチェンジ犬の活動支援の寄付金を募っている。目標額は12月31日までに400万円。達成された場合は、市が返礼品や事務費を差し引いた半分の200万円を補助金にあてることにしている。

 同協会の高柳友子専務理事は「介助犬にならない犬にも適材適所で活躍する場所があります。市と連携しながら、犬たちがそれぞれの役割を果たし、多くの人を笑顔にするお手伝いができれば」と話す。

 キャリアチェンジ犬についての相談や問い合わせなどは、シンシアの丘(0561・64・1277)へ。
(松永佳伸)

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