歩行者見守る交通安全犬「雪太郎」 気をつけて渡るんだワン!
全国交通安全運動が始まると、山梨県甲府市朝気1丁目の善誘館小学校の近くに、制服に身を包んだしば犬が現れる。5歳のオス、雪太郎。甲府交通安全協会城東支部の広報部長だ。協会員の三枝博さん(73)の愛犬で、一緒に交通安全を呼びかけている。
朝の散歩を終え、一息ついた午前7時ごろ。制服を着せてもらった雪太郎は、軽やかな足取りで出勤する。いつもの場所に着くと、通りかかった人たちが笑顔を向ける。横断歩道に立ち、車が止まるのを確認。登校する児童に目をやり、最後に歩道へ戻る。
退職後、交通安全運動に10年以上かかわってきた三枝さん。啓発活動に停滞した雰囲気を感じ、「交通ルールを守る意識をどうすれば広げられるか」と考えてきた。
2年前の春、交通安全運動に雪太郎を連れて行った。「せっかくなら服も」と古い旗や反射材で手作りした制服を着せたところ話題に。交通安全に関心を持つきっかけになるならと、春と秋の運動に雪太郎が参加するようになった。交通指導は会員の当番制だが、「雪太郎に会えなかった」と残念がる声を聞き、期間中は毎日街頭に立つ。
雪太郎のけなげな姿に子どもも、大人も笑顔になる。三枝さんは「事故を1件でもなくしたい。雪太郎もそのために頑張っています」。秋の全国交通安全運動最終日の30日まで出勤する。
(市川由佳子)
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