犬60匹放棄、飼い主は行方不明 5年前は2匹だったが

保護された犬たち=18日、宮崎県高原町のNPO法人「咲桃虎」、神谷裕司撮影
保護された犬たち=18日、宮崎県高原町のNPO法人「咲桃虎」、神谷裕司撮影

 宮崎県都城市の住宅で、犬約60匹が室内に放棄されているのが見つかった。飼い主の50代の男性が行方不明となっており、男性の親族と動物愛護団体が残された犬の保護に乗り出した。

 動物愛護のNPO法人「咲桃虎」(同県高原町)代表の山下香織さん(38)によると、飼い主の男性は女性と2人暮らし。3月末、住宅の大家が「用事で家に行く」と男性に電話した直後から、連絡が取れなくなったという。親族が住宅を訪れたところ、多数の犬が中にいた。4、5年前は2匹だったといい、繁殖して増えたのではないかとみられる。

 親族は都城署や保健所に相談。咲桃虎にも連絡し、10日から犬の保護を始めた。男性の行方は署が捜している。

 えさは与えていたとみられるが、やせ細って弱っている犬もいた。室内は犬のふんなどで、不衛生な状態だったという。

室内で放棄された犬の保護に入った山下さん=10日、宮崎県都城市、NPO法人「咲桃虎」提供
室内で放棄された犬の保護に入った山下さん=10日、宮崎県都城市、NPO法人「咲桃虎」提供

 咲桃虎は18日までに子犬9匹を含む41匹を保護した。動物病院での手当てやワクチン接種などを行い、引き取り手を探すため、すでに約10匹を関東や関西などの動物愛護団体に送ったという。残る犬には親族がえさをやっているが、山下さんは今後、全頭を保護したいという。

 宮崎県衛生管理課は「親族と動物愛護団体が対応しているので、保健所が直接介入することはしていないが、愛護団体へのケージの貸し出しなどを続けていく」としている。

 山下さんは「不妊手術さえしていれば、こんな状態にはならなかった。飼い主も犬も不幸になる。飼い主は責任を持って適正飼育をしてほしい」と話す。引き取り希望者は咲桃虎(090・5724・0572)へ。
(神谷裕司)

朝日新聞
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