目印はハート、連れ去られた子猫無事発見 男に罰金命令

女性に甘える「はと」=女性提供
女性に甘える「はと」=女性提供

 三重県鈴鹿市内の小屋から子猫を連れ去ったとして、津区検は11日、窃盗容疑で県警に逮捕された無職男性(54)=同県桑名市=を窃盗罪で略式起訴した。津簡裁は同日、罰金20万円の略式命令を出し、男性は即日納付した。子猫は事件後、所在不明だったが、世話をしていた女性が、わずかな情報を頼りに懸命に探した結果、無事に見つかった。

 起訴状などによると、男性は3月16日、約40匹の猫がすみ着いている鈴鹿市内の小屋から、30代女性が世話をしていた猫1匹を連れ去ったとされる。

 事件では、男性が子猫の首にひもをくくりつけ、引きずりながら連れ去る様子が監視カメラに映っていた。

監視カメラに、猫にひもをくくりつけ、連れ去ろうとする姿が映っていた=関係者提供(顔にモザイクをかけています)
監視カメラに、猫にひもをくくりつけ、連れ去ろうとする姿が映っていた=関係者提供(顔にモザイクをかけています)

1日4時間歩いて探す

 この小屋を管理する団体の関係者の女性らは、10年以上前から一匹一匹に名前をつけ、えさをやったり、繁殖しすぎないように去勢手術を受けさせたりしてかわいがってきた。連れ去られた子猫の名前は「はと」。鼻先にハートマークがあることから名付けた。生後6カ月だった。

 県警鈴鹿署が4月1日、男性を窃盗容疑で逮捕。男性は「猫が好きで連れてきた」と容疑を認めたが、「なつかなかったので逃がした」と供述し、実際に男性の家に子猫はいなかった。

「なんとか生きていてほしい」という一心で、女性は逮捕の翌々日の4月3日から男性の自宅周辺で捜索を始めた。仕事の合間を縫って1日約4時間歩いて探した。「はと」の写真を載せたビラも配った。

 すると、近くで工場を営む猫好きの社長から「見たことがある」という証言を得た。見つけたら連絡をもらう約束も交わした。

「はと」と呼ぶと「ニャー」と返事が

 捜索開始から5日目の4月7日。別の用事がありあまり時間はなかったが、それでも胸騒ぎがして、1時間だけ探した。だが、子猫は見つからず、家に帰ろうかと車を走らせて約2分後。社長から「ついさっき見かけた」と電話があった。すぐに工場に駆けつけ、敷地を探すと、鼻先にハートマークがある猫がいた。「はと」だった。

「はと」は怖い思いをしたからか、人の姿が見えるとすぐに逃げた。でも、女性がいつものように「はと」と呼び、鳴きまねをしたところ、ニャーと返ってきた。大好きな魚のおやつで呼び寄せ、抱き上げた。女性は「もう大号泣でした」。

「はと」に大きな傷などはなかったが、「怖い目に遭ったところにはもう置いておけない」と思い、女性の家で他の猫とともに飼うことにした。「家でたっぷり甘やかします」と目を細めた。
(甲斐江里子)

朝日新聞
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