野良猫のアイドル「千太郎」おなか見せコロリ パンチが玉にキズ

 四国最南端の足摺岬(高知県土佐清水市)に野良猫のアイドルがいる。オス猫の千太郎。顔を近づけるとネコパンチを繰り出してくるのが玉にキズだ。

(末尾に写真特集があります)

 金色の目が真っすぐに見つめてくる。白いしっぽを立てながら体を預けるようにこすりつけてくる。真っ赤なツバキの花の下でコロコロと転がるのが観光客に受けている。

 千太郎の年齢は不明。足摺岬観光案内所でボランティアガイドを務める吉田千代美さん(71)が名付け親だ。昨年11月、岬に現れた。飼い猫だったようで人なつっこい。地面に転がり、おなかを見せる。たちまち、岬にいる10匹ほどの野良猫の中で一番人気になった。しかし、「もっと素敵なネコがいました」と吉田さん。

 初代アイドルのネコは万太郎(オス)。野良ネコで8年ぐらい前に岬にきた。吉田さんは「すごく頭がいいネコ。お客さんと写真を撮る時にはポーズを決めるんです。『ネコの観光大使』でした」と振り返る。

眠る千太郎
眠る千太郎

 吉田さんはネコに「万太郎」と名付けた。岬に大きな銅像が建つ「ジョン万次郎」にあやかった。茶色の体は約40センチと細かったが、イケメンだった。

 万太郎は2年ほど前の朝、近くの林の中で静かに横たわっていた。息はしていなかった。吉田さんは万太郎の体に草をかけて市役所に連絡した。ボランティア日誌に「万太郎死ぬ」とだけ書いた。

 吉田さんは千太郎を万太郎の後継者と考えているが、まだ「観光大使」と呼んでいない。「顔を近づけると強いネコパンチするから」と笑った。

(笠原雅俊)

朝日新聞
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