西日本豪雨で不明の犬、捜索続ける 別の犬を同じ山中で保護
昨年7月の西日本豪雨で、福岡県筑紫野市の山中で飼っていた犬を助けようとしてメンバーが亡くなった動物愛護グループ「アニマルファミリー」が、「思いを継ぎたい」と豪雨で行方不明になった犬を捜し続けている。最近、けがで前脚が欠損した別の犬を同じ山中で保護。引き取り先を探している。
このグループは、福岡市を拠点とする情報誌「ガリヤ」代表の長沢由起子さん(67)が主宰。捨て犬などを住宅街から離れた小屋で飼ってきた。
メンバーの女性(当時68)は、豪雨さなかの昨年7月6日、犬を守ろうと駆けつけた小屋付近で土砂崩れに巻き込まれ、翌日、近くの水路で遺体で見つかった。
このとき小屋にいた犬は3匹。1匹はまもなく無事保護され、1匹は死んで見つかったが、残る1匹は行方がわからないままだ。
長沢さんらは捜索を続け、昨年12月末から今年1月初め、生後3~4カ月の子犬3匹と母犬を同じ山中で見つけた。
捜していた犬は10歳以上で、1~3歳とみられる母犬とは違った。だが、左の前脚がひじの先から欠損し、骨がむき出しになっていた。現在は治療中で、診察した獣医師の執取大幹(とっとりひろみき)さん(58)は「わなにかかり、引きちぎって逃げた可能性がある」とみている。
「豪雨以来、命のはかなさばかりを感じてきた」という長沢さん。「さぞ痛かっただろうに、『子犬を育てよう』とがんばってきた母犬のエネルギーに感動した」という。
もとは近くで飼われていたと推測しており、「飼い主を探したい。見つからないなら誰か引き取ってくれないものか」と話す。子犬は里親がほぼ見つかった。
問い合わせはガリヤ編集部・長沢さん(092・751・3778)へ。
(徳山徹)
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