暑い夏をのりきる愛犬用レシピ ドライフードにトッピング

 蒸し暑い日本の夏は、犬も疲れ気味。元気が出るご飯を食べて、バテずに夏を乗り切りたいものです。そこで、今回は、ドライフード派のワンコのために、夏におすすめのトッピングをご紹介します。教えてくださるのは、手作り食の指導もされている「はる動物病院」の藤原千春副院長です。

なぜトッピングをすすめるのか

 トッピングは、単に犬の嗜好にこたえるものではありません。新鮮で、栄養価が高い食材を与えて、栄養を補うという意味があります。ドライフードは総合栄養食だと言われますが、犬も新鮮な食材のほうが体に取り込みやすいのです。適切なトッピングをしてあげることで、より健康に楽しく生きることができます。

ドライフードに食材をトッピング
ドライフードに食材をトッピング

トッピングのルール6つ

 ドライフードにトッピングをする場合、必要な栄養を摂取するために覚えておきたいルールがあります。

1. ドライフードの量は、2割までなら減らしても大丈夫。必要な栄養を摂取できます。トッピングする場合は、フードを減らした分のカロリーを計算し、それに見合ったものを加えましょう。

2. 犬は雑食ではありますが、肉食に近い雑食なので、「良質な動物性たんぱく質」をしっかり与えましょう。

3.ビタミン類を野菜や果物で補う。犬は肉の消化は得意ですが、野菜や果物の消化は苦手です。フードプロセッサーやミキサーなどでペースト状にします。器具がない場合は、細かいみじん切りにしましょう。

4.毎日トッピングしなくても構いません。週に2、3日でもいいでしょう。同じものを与えるのではなく、バリエーション豊かに、いろいろな食材を使うといいでしょう。

5.いきなり全量を与えるのではなく、少量から初めて、下痢や嘔吐がないか様子を見ながら与えます。

6.ドライフードには意外と糖質がたくさん含まれています。「グレインフリー」と書いてあっても、小麦や米以外に、豆類や野菜などの糖質が入っていることが多いのです。ドライフードにたっぷり糖質は含まれているので、トッピングでは糖質ではなく、ドライフードで補いきれないたんぱく質やビタミン類を優先するほうが良いでしょう。

良質な動物性たんぱく質も大事
良質な動物性たんぱく質も大事

夏のトッピングに向く食材

 夏は食欲不振や胃もたれ、むくみなどに加え、皮膚のトラブルも起きやすい季節です。体にこもった熱を取り除いて体を冷ます食材をトッピングしましょう。排尿を促すため、利尿作用のある食材もおすすめです。

<野菜>
きゅうり、大根、レタス、ゴーヤ、セロリ、ほうれん草、すいか、パインアップル、キウイなど

<肉・魚>
馬肉、鴨肉、豚肉、イワシ、カレイ(白身魚)など

<その他の食品>
昆布の粉末(少量)、亜麻仁油、魚油、グリーントライプなど

※ほうれん草は、尿管結石の原因になるシュウ酸を多く含んでいます。必ずゆでこぼしてから使用しましょう。
※持病のある犬の場合、獣医師の指導に従ってください。
※腎臓病の犬は、たんぱく質の摂取を制限する場合があります。

夏におすすめのトッピング・レシピ

 体重5キロの犬の場合、1日375キロカロリーのエネルギーが必要です。ここでは2割にあたる約75キロカロリーのトッピングをご紹介します。

<レシピ例>

1. きゅうり1本、大根100グラム、豚赤身肉もしくは鶏ささみ肉40グラム

2. ゆで卵(Lサイズ)の2分の1、すいか80グラム

3. イワシ30グラム、セロリ30グラム、レタス30グラム

4. 白身魚80グラム、きゅうり1本

 以上をペーストかみじん切りにして混ぜて、ドライフードの上にのせて与えます。

きゅうりや大根のすりおろしもおすすめ
きゅうりや大根のすりおろしもおすすめ

トッピングのワンポイントアドバイス

1.老犬の場合は、消化機能が低下しているので、大根おろし、キウイ、パインアップル、グリーントライプなど、消化酵素を含むものをトッピングするといいでしょう。いずれの食材も加熱せず、生で使用します。

2.亜麻仁油は、抗炎症効果が期待でき、毛艶を良くしたり、関節炎や認知症を予防したりするのにもおすすめです。酸化しやすいため、食べる直前に生の状態で加えましょう。ただし、油は高カロリーで、亜麻仁油1グラムで約9キロカロリーに相当します。小型犬の場合、1日小さじ1杯、大型犬の場合大さじ1杯が目安です。

3.あまり厳密にカロリー計算する必要はありませんが、犬の体調をよく観察し、その子にあったものをトッピングするといいでしょう。

4.卵を与える時は、全卵、もしくは黄身を与えてください。白身にはビオチン(ビタミンBの一種)の吸収を阻害する成分が含まれるため、生の状態で白身だけ与えるのは避けましょう。加熱すれば問題ありません。

5.ドライフードの場合、全体的に体が水分不足になりがちです。水分不足の状態では栄養が十分に取り込めなかったり、老廃物を体外へうまく排出したりすることができません。ドライフードをたっぷりの水でふやかすか、お肉を湯がいた残りをスープとして人肌に冷まして加えるなど、十分な水分摂取を促してあげましょう。

 いくらエアコンを効かせても、高温多湿になる夏は、犬にとって非常につらいもの。良質な動物性たんぱく質や新鮮な旬の野菜、果物をトッピングして、元気に過ごせる工夫をしてあげるといいですね!

藤原千春

はる動物病院副院長・獣医師(鍼灸漢方外来担当)。大阪府立大学獣医学科卒。 ペット薬膳国際協会理事/ 日本メディカルアロマテラピー協会メディカルアロマテラピスト/(公社)大阪市獣医師会会員/ 比較統合医学学会会員/ 日本ペット中医学研究会会員/大阪ECO動物海洋専門学校非常勤講師

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe
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