「ねこ検定」2年目 “真の猫好き”認定を目指し、難問に挑戦
「ねこ検定」(猫に関する知識の検定試験)の第2回が、3月後半、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の6都市で開催された。昨年の第1回からあった「初級」「中級」に加え、今年は「上級」も新設。真の猫好きの“公式認定”を求めて約3500人が受験した。
(末尾に写真特集があります)
桜が舞うなか、東京の試験会場、大正大学の正門をくぐると、校内には猫のイラストとともに「ねこ検定はこちら」という案内板も。受験番号を確認し、教室へと向かう。
「受験表を机に用意し、時計、筆記用具以外のものはしまってください。今から試験用紙をお配りします」
試験官の言葉に教室が静まり返り、まるで入試会場のようだ。ただ、これは「ねこ検定」。試験官は頭に可愛い“猫耳”を付けており、受験者には中高年も多い。
試験内容は猫の生態、暮らし、歴史、文化など、猫に関する幅広い知識を問うもの。初級、中級、上級ともに、60分で100問。「開始」という号令とともに、4択式の問題に、受験者は真剣に挑んでいく……。
「受験者数は昨年と同水準。今年の受験者の男女比は3:7で、平均年齢は約40歳。全体の約4割の方が猫を飼われている方でした」
試験後、ねこ検定を運営する日本出版販売・商品開発部(検定事業課)の青木祐樹さんに聞くと、中心は40代の女性だが、最年少は9歳、最年長は80歳だったという。それだけ、幅広い年齢層に興味を持たれている、ということだ。
そもそもこの検定の目的は、猫を飼っている人、これから飼おうという人らが「検定を通して猫の知識を楽しく学んで、人と猫がもっと幸せになれる社会を目指す」こと。
ちなみに、猫に関する基本事項を問う「初級」に対し、「中級」は猫に関する知識を求められ、時に的確にアドバイスができる猫のスペシャリストレベル、「上級」は猫に関する知識を活かした活動や、職業を目指すのにふさわしい猫のマスターレベルと設定されている。
今年はその「上級」受験者が多く「全体の4割を占めた」という。
「単純計算では、第1回の中級合格者の約半数が、『上級』にチャレンジされたことになります。いずれの級も、合否結果は5月頃。合格者には合格認定証をお送りしたします」
合格ラインは70点。一般受験者とともに検定に挑んだ筆者は、予想以上の難しさに焦りながら、試験会場で男性(50代、会社員)に、感想を聞いてみた。
「中級を受けましたが、猫の歴史とか文化とか意外と難しくて、ぎり7割は正解できたかな。今、すごい猫ブームだし、会社の同僚が昨年受験していたので、じゃあ自分もやるか、と盛り上がったんです(笑)。検定費が愛護活動に繋がると聞いて、それも受ける動機になりましたね」
ねこ検定の収益の一部は、東京都千代田区と協働で猫の殺処分ゼロ運動に取り組む『ちよだにゃんとなる会』(主に医療)に寄付される。検定を受けると、猫助けにもなるというわけだ。
試験突破のための参考書としては、『ねこ検定 公式ガイドBOOK』『ねこ検定 公式ガイドブック中級・上級編』の2冊が一般の書店で発売されている。
執筆者には、神保町にゃんこ堂のアネカワユウコさん、フリーライター廣田清さん、保護猫カフェ経営を手掛ける藍智子さんらを迎え、各章で一級建築士や獣医師などが監修に入っている。
ガイドブックの版元である廣済堂出版の代表取締役・後藤高志さんにも話を聞いた。
「上級の受験者数が多かったというのは、猫への興味の高さや意欲を感じて嬉しいですね。ガイドブックはイラストや写真も多いので、楽しみながら、多くの知識を得ることができると思います。今年の検定日は昨年の悪天候と違い、快晴で気持ちのいい日でしたが、受験者の方は直前まで準備に余念なく、相変わらずの熱量でしたね!」
最後に、ガイドブックから、模擬試験問題の例を紹介すると……
問題:「猫の舌にあるザラザラした突起を何というか?」(中級問題より)
(1)凸状乳頭 (2)糸状乳頭 (3)トゲ状乳頭 (4)槍状乳頭
問題:優性のA遺伝子をひとつ以上持つ猫の毛色で正しいものはどれか?(上級問題より)
(1)黒 (2)グレー (3)黒系のキジ模様 (4)白黒
「ねこ検定」は、来年も3月に開催される予定だ。
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