定年の麻薬探知犬に感謝状 引き取られ、第二の「人生」へ
長崎税関管内で約7年間にわたって麻薬取り締まりに活躍した麻薬探知犬「バリー号」が、15日に退役した。鹿児島県霧島市の鹿児島税関支署鹿児島空港出張所で22日に感謝状が贈られたバリー号は、姶良市の会社員、中西勝洋さん(52)に引き取られ、第二の「人生」を送るという。
バリー号はオスのジャーマン・シェパードで、2010年9月に長崎税関に配備された。霧島市溝辺町にある麻薬探知犬管理センターを拠点に管内の空港や港に派遣され、旅客や輸出入貨物の検査に従事。学校での薬物乱用防止の啓発活動のデモンストレーションでも活躍したという。
同税関の七條秀徳・上席監視官によると、バリー号はシェパードとしてはやさしい性格で、「楽しみながらひたむきに仕事をするタイプ」。今月15日に8歳になったばかりだが、人間で言うと50歳前後。臭覚などが衰え始める年齢で、「『定年退職』を迎えた。7年間、よくがんばってくれた」とねぎらった。
ハンドラーとして1年目のこの1年、バリー号と組んで活動した松江秀磨さん(23)も「バリーからいろいろ教わった。本当にかわいいシェパードです」と別れを惜しんだ。
バリー号をもらい受けた中西さんは、3月に仕事で鹿児島空港出張所を訪れた際、バリー号の引き取り手を募集するチラシを見た。チラシに載っていたバリー号のりりしい表情と優しそうな目に引かれ、引き取ろうと決めたという。
中西さんは妻の房枝さん(55)と長女の3人家族で、ウサギとラブラドルレトリバーも飼っている。中西さんは「この日が待ち遠しかった。運動不足にならないよう散歩をしっかりさせたい。家族が6人になってうれしい」と語った。
(大久保忠夫)
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