日本動物愛護協会が保護猫の譲渡会 写真展も同時開催
日本動物愛護協会(東京都港区)が6月17日(土)10時~16時、ヤマザキ動物専門学校レインボーホール(東京都渋谷区松濤2―16-5)で、保護猫の譲渡会を開く。十数匹の猫が集まる予定だ。同じ会場で『小さな命の写真展(猫Version)』も開催する。
(末尾に写真特集があります)
同協会の相談室長の大橋志保さんは、「本協会はシェルターを持ち合わせていないので、動物ボランティアや個人の方に保護をお願いしています。しかし譲渡会を公共の場でなかなかできなかったり、寒い時でも戸外でしなければいけなかったりと悩みを抱えているため、譲渡会会場の提供や集客、動物の運搬までを私たちですることにしました」という。
昨年12月18日、ヤマザキ動物専門学校の「Xmasわんにゃんフェスティバル」のイベント内で、第1回となる保護猫の譲渡会を開いたという。その時は子猫から成猫まで計21匹が集まり、100人以上の来場があった。
「3匹ほど猫の譲渡(の約束)が決まりました。猫は初めての場所だと戸惑ったり緊張したりすることも多く、個性を発揮できないことも少なくありません。譲渡会では普段の様子をよく聞いて、まずトライアルをされることをおすすめします」
大橋さんによると、譲渡会に出る猫は、ウイルス検査をしてワクチン接種もしているが、なかには持病がある子もいるのだという。「どの猫にも、幸せになるチャンスをあげたいと考えているからです」
病気があっても幸福になるケースがある、という。
前回の譲渡会には生まれつき腎臓が弱い猫もいたが、60代の夫婦にもらわれることになった。猫の体調を伝えると、「うちで家族に迎えて最期までみたい」と言ってくれたという。
「ご夫婦は、猫を飼いたいけれど、赤ちゃんの猫を飼うと自分たちの寿命との兼ね合いが不安だとお考えでした。持病がある猫は長寿ではないかもしれないけれど、逆にそれなら家で最期までみてあげられる。限られた時間でも一緒に楽しく暮らしたいと仰ってくださり、いま猫は幸せに暮らしています」
人の思いと、猫の状態とが、ぴたりとかみ合った例だ。
今回の譲渡会には、FIV(猫エイズ)陽性の猫も、3匹ほど出る予定だ。
「エイズキャリアでも、(一匹飼いなどで)室内で大切に飼育することで、長く暮らした例がいくつもあります。みなに幸せになってもらいたい」
写真展に展示するのは23枚。児童文学作家の今西乃子さんの著書『さくら猫と生きる(殺処分をなくすためにできること) 写真=浜田一男』が元になっている。
大橋さんは、「行き場(飼い主)を失い、動物愛護センターに持ち込まれた猫の生涯(センターでの様子)や、不幸な命を生み出さないために、不妊去勢手術を行い、元にいた場所に戻す取り組みが行われていることなどを、克明に写し出しています」と話す。23枚の写真は、送料のみで貸出しを行うという。(当日受付もする)
世の中はいま猫ブームだが、捨てられたり、虐待されたりする猫は後を絶たず、1年間に殺処分される猫は全国で約6万7000匹。ブームの一方でどのようなことが起きているか、写真でそれを伝えようというものだ。
「本当は、譲渡会などしなくてもよい社会が理想なのです。本協会は『今を生きている命は幸せに、不幸な命は生み出さない!』というスローガンをかかげ、自分が責任を持てない不幸な命は作り出さないでほしいことを譲渡会を通じてお伝えしたいと思っています」
(藤村かおり)
日時:2017年6月17日(土)10:00~16:00 入場無料
場所:ヤマザキ動物専門学校(本校舎)レインボーホール(東京都渋谷区松濤2-16-5)
(京王井の頭線・神泉駅より徒歩5分、渋谷駅より徒歩15分)
譲渡会に行く場合、事前の申し込みは不要。
※犬猫サンプルフード、ウンチ処理袋のお土産あり
質問・問い合わせ等は (公財)日本動物愛護協会=03-3478-1886(10-12時/13-17時)
Facebook= https://www.facebook.com/JSPCA.wanco
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