「地域猫」と共に生きる 町内会が見守り… 若者との交流も

みしま町内会の地域猫。左耳に「さくらカット」が施されている=山形市緑町
みしま町内会の地域猫。左耳に「さくらカット」が施されている=山形市緑町

 山形市のみしま町内会(同市緑町など)が、地域で野良猫を見守る「地域猫活動」を続けている。町内会単位での活動は、県内では珍しいという。エサやりのほか、すでに不妊や去勢の手術を14匹に施した。


 5月下旬の夕方、同市緑町で、女性が自宅の軒先で二つのエサ入れの皿に、キャットフードを補充していた。朝と夕方に1回ずつ用意するという。1時間後。皿の周囲には3匹の猫が寝そべっていた。片目が閉じたままの猫も。町内のどこかからやってきてエサを食べ、再び戻っていく。


 町内会が実際に活動を始めたのは2016年11月。こうしたエサやりのほか、捕獲して不妊や去勢の手術も施す。耳の先を桜のようにV字に切る「さくらカット」がその証しだ。


 町内会で15年1月ごろから「庭や通りにフンや尿が落ちている」「ゴミ箱が荒らされる」などの訴えが急増。「被害を減らすためには猫の数を減らすしかないのではないか」と町内会役員の相橋恭子さん(67)が活動を提案したという。


 15年秋以降には、野良猫の殺処分ゼロを目指す団体「野良猫クラブ」(山形市)による地域猫活動のセミナーに参加するなど準備を進めてきた。どこに野良猫がいるのかを示す「猫地図」を作製。住民には、野良猫の被害や、活動に参加できるかなどをアンケートしてきた。20人ほどが「エサやりができる」「買い物なら」などと協力を申し出たという。


 活動に必要なエサ代や手術代は、クラウドファンディングも活用。西表島からも寄付があり、目標を上回る80万円余りが集まった。


 本格的に活動が始まって半年。「猫だけでなく『人』にも変化が生まれた」と相橋さん。一人暮らしのお年寄りの家を若者が訪れ、猫の様子を見る。活動を通じて互いに顔を合わせる機会が増えたという。


 相橋さんは「私たちがしているのは決して動物愛護ではないんです」と話す。町内会には猫が好きな人も嫌いな人もいる。活動は、あくまでも苦情の多い野良猫対策。すでにここにいる命は最後まで見守る。そんな野良猫との共存を目指して活動を続けている。


(宮谷由枝)

 

◆キーワード
<地域猫活動>

 環境省のガイドラインによると、不妊や去勢の手術をしたり、新しい飼い主を探したりすることで、将来的に飼い主のいない猫をなくそうとする活動。野良猫によるトラブルをなくすため、エサやりの場所を決め、排泄(はいせつ)物の処理や掃除をするなど地域住民が飼育管理する。
朝日新聞
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