大きな目の猫のおかしな物語 「猫のダヤン ふしぎ劇場 」

 「猫のダヤンふしぎ劇場」 本文 『ダヤンのキャラクターファイル』より
 「猫のダヤンふしぎ劇場」 本文 『ダヤンのキャラクターファイル』より

 TVアニメでもおなじみ、池田あきこさん原作の「猫のダヤン」のアニメ原作描き下ろし(4コマやイラスト等)が収録された楽しい書籍が4月、学研プラスから発売された。


 大きな金色の目が特徴のオス猫ダヤンは、雪の魔法でアルス(地球)から不思議な国、“わちふぃーるど”にやってきた。国の中央にある街タシルで、ダヤンは仲間の猫のジタンや、うさぎのマーシィや、わにのイワンらと暮らしている。わちふぃーるどは池田さんが創作した架空の国なのだが、そこで起きる出来事はどこかユーモラス。

 

「猫のダヤン ふしぎ劇場~Wonderful World~」
定価:本体1000円+税
「猫のダヤン ふしぎ劇場~Wonderful World~」 定価:本体1000円+税

 たとえば「ザリガニ床屋」のお話はこんなふう。


 ある日、街にできた床屋にダヤンがふらりと入ると、そこの店主はザリガニ。


「ざっとたのむよ 毛並を整えて」というダヤンに、店主は「へい ムダ毛は刈っときますねー」と自信満々に言う。だが、いざお手入れが終わってダヤンが鏡を見ると、耳の先はまあるくなり、なんとヒゲもなくなっていた。


「・・なんかヘンじゃない?」


「イエイエお似合いですよ」


「え~」


 ダヤンは猫だから気まぐれなのだが、事件を“楽しみ”に変える才能も持っている。そして感情表現も豊かで、まさに猫の目のように、くるくると表情が変わる。おなかを見せてぐた~っと寝たかと思えば、「おいしそう」と仲間に言われた“ぷにぷに”の自分の肉球を、思わず自分でかじってイタタタタ、なんていう面も!

 

「猫のダヤンふしぎ劇場」 本文4コマ『とぼけた時計』より
「猫のダヤンふしぎ劇場」 本文4コマ『とぼけた時計』より

 編集を担当した学研プラスの岡部文都子さんが、見どころについて話す。


「アニメの原作4コマのほか、作者の池田先生にお聞きしたキャラクターの“関係性”に迫るQ&Aなども詰め込みました。ダヤンの愛らしい猫のしぐさが満載なので、『ダヤン』ファンにも、猫好きの方にも、楽しんでいただけるのではないでしょうか」


 華麗で愉快でミステリアスな世界を、何度でものぞきたくなる。特製ポストカード付き。


(藤村かおり)

 

 

書名「猫のダヤン ふしぎ劇場 ~Wonderful World~」
定価 本体1000円(税別)
発行 学研プラス 池田あきこ 


池田あきこ プロフィール

いけだ・あきこ 東京生まれ。1987年より〈わちふぃーるど〉とダヤンの物語を書き始める。著書は絵本、画集、絵物語、小説、エッセイ他多数。アニメシリーズの原作も手掛ける。河口湖木ノ花美術館に常設展示中。

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sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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