保護猫、飼ってみませんか? 救える命、猫カフェで支えて

寝転がってくつろぐ里(さとる)と、白川さんの手から離れて歩み寄るまほ(メス)。2匹はきょうだいだという=山形県高畠町
寝転がってくつろぐ里(さとる)と、白川さんの手から離れて歩み寄るまほ(メス)。2匹はきょうだいだという=山形県高畠町

 一時は殺処分の対象だった猫とふれ合える保護猫カフェ「まほらねこ」が、山形県高畠町にある。飼い主を探し、少しでも多くの命を救いたいとの思いがある。オープンから半年で2匹が新たな居場所を見つけた。


(末尾にフォトギャラリーがあります)


 JR高畠駅から車で約5分。アパート1階のドアを開けると、サバトラ柄の里(さとる)(8カ月、オス)が近寄ってきた。ソファやキャットタワーが置かれた2LDKの部屋にいるのはキジトラ柄や白黒柄など8カ月から2歳ほどまでの8匹。走り回ったり、日なたでうたた寝をしていたり。


「放っておけばなかった命。一生飼ってくれる人に出会って幸せになってくれれば」。まほらねこを運営する白川真理子さん(52)はそう話す。保健所から殺処分対象だった猫を引き取り、昨年7月にオープンした。喫茶サービスはないが、おもちゃで遊んだりおやつ(200円)をあげたりできる。避妊・去勢手術代の実費など数万円の負担が必要だが、気に入った猫がいれば引き取れる。


 白川さんの実家には猫が2匹いて、幼いころから動物が好きだったという。東日本大震災では、ペットを預かる宮城県石巻市のシェルターでボランティアをした経験もある。


 保健所で猫が殺処分されることがずっと気になっていた。昨年度、県内で保健所に収容された猫1319匹のうち殺処分されたのは1235匹。大人の猫はホームページなどで譲渡のお知らせが出ることもあるが、生まれたばかりの子猫は世話に人手がかかるため、ほとんどが殺処分される。


「誰の目にも触れられず、そんなに簡単に殺されちゃうのか……」と心が痛んだという白川さん。だが、個人で保護するには限界がある。どうしたらいいか悩んでいた時、埼玉県の保護猫カフェを知った。1年ほど前から愛玩動物飼養管理士の資格を取り、準備を進めてきた。


 まほらねこを開くのは午前11時~午後6時半。月曜定休で平日は要予約。利用料は最初の30分は600円、1時間で1千円。30分延長するごとに400円かかる。平日のみのフリータイムは3千円。大人と一緒なら中学生以下は半額になる。「引き取らなくても、遊びに来てもらうだけで猫たちの支えになる」と白川さんは言う。


 問い合わせはまほらねこ(電話は0238・40・0828、電子メールは mahoraneko_cafe@kme.biglobe.ne.jp)へ。


(多鹿ちなみ)

朝日新聞
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