繰り返される盲導犬連れの転落事故 障害者団体が駅を調査
JR蕨駅(埼玉県)で盲導犬を連れた男性(63)がホームから転落し、列車と接触して死亡した事故を受け、視覚障害者団体のメンバーが16日、ホームの状況を調査した。
「狭くなっているところがあり危険」として、転落防止用のホームドアの早期設置や、構内で誘導する駅員の確保などをJR東日本に求める方針を決めた。
調査したのは全日本視覚障害者協議会の田中章治代表理事ら4人。ホームに献花し黙禱(もくとう)を捧げた後、普段から盲導犬と行動する田中さんや、白杖(はくじょう)を使う山城完治理事らが約1時間かけてホームをくまなく歩き、問題点がないか点検した。
亡くなったのは川口市のマッサージ師の男性で、両目が不自由だった。蕨署などによると、男性は階段を下りてホームを左にUターンし、点字ブロックより外側を歩行。列車が近づく前に線路側に一歩踏み出し、転落したとみられる。
Uターンした場所には柱があり、柱と点字ブロックの間隔は40~50センチと狭くなっていた。田中さんは「ここで盲導犬が左側を歩けば、右側にいる男性は電車により接近していたはずだ」と指摘した。
JR東日本大宮支社によると、男性は普段から通勤で蕨駅を利用。14日は駅員4人のうち改札にいた1人が、自動改札機を通る男性に気づいていたという。担当者は「男性から付き添いを依頼されたことがなく、声をかけなかった。駅員が改札を離れるわけにもいかなかった」としている。
事故を受け、JR東日本は京浜東北線の全36駅に2020年度末までにホームドアを設置する計画について、蕨駅への設置時期の前倒しを検討することにした。
(森厚志)
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