野良猫、にゃんとかしよう ボランティア団体ら捕獲大作戦
山梨県庁では、昨年4月の敷地の一般開放以来、のんびり歩く野良猫の姿が目立つようになった。餌をやる人もいて、西門付近に猫が集まるようになり、近隣から汚物などの苦情も寄せられていた。これ以上の繁殖を防ごうと、13日、ボランティア団体や地元自治会が立ち上がり、猫を一時捕獲して避妊・去勢手術を行う取り組みが始まった。
この日午前9時から、笛吹市のボランティア団体「NO MORE ALLEY CATS」などのメンバーらが、県庁西門付近や近くの商業施設など4カ所にわなを設置。1日で13匹を捕獲した。手術後は元の場所に戻すが、里親も募る。
同団体は「TNR活動」を続けていて、TNRは〈TRAP=捕獲、NEUTER=不妊・去勢手術、RETURN=元の場所に戻す〉の頭文字。殺処分を避けて、猫の寿命を全うさせつつ、数を減らす活動だ。
代表代行の塩島亜貴さん(41)は「春先の繁殖期で数が急増する前に何とかしなくてはと思った」。約20万円の費用は団体側が負担。寄付金などを活用するという。「里親に引き取られるのが猫にとって一番良いが、元の場所に戻しても、地域猫として周辺の理解を得られるように、サポートしていきたい」
県財産管理課によると、元々県庁周辺には野良猫がいたが、付近の空き地が開発されたことや、県庁敷地の一般開放に伴う敷地整備で、猫が目立つようになり、汚物などの苦情も寄せられていた。
昨年秋に実態調査したところ、猫は十数匹おり、飼い主はいなかった。敷地外で猫に定期的に餌を与えている人がいたほか、通行人らが西門付近で餌を与えていたため、集まってきたことがわかった。県は餌を与えないように求める注意看板を出したが、実質手立てがないままだった。
そんな時、状況をニュースで知ったボランティア団体が県に協力を打診。今回、地元自治会とも協力してTNR活動に取り組むことになった。自治会長の宮坂孝一さん(69)も「付近では10年ほど前から猫が目立っていて、飲食店が多いため衛生面や環境面で心配する声が出ていたので、ありがたいこと」。
県財産管理課は「県も、サイトなどを活用して猫の里親探しに協力したい。これを第一歩として、猫にとっても、地域にとっても良い方向に進んでいけば」と話している。里親希望など問い合わせは同課(055・223・1391)まで。
(中沢滋人)
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