飼い主を救った「忠犬タマ公」知って! 銅像、ゆかりの横須賀へ
雪崩に襲われた飼い主を2度にわたって救い出した「忠犬タマ公」の美談が新潟県五泉市に伝えられている。タマ公が縁で交流が続く横須賀市に、五泉市からタマ公の銅像が贈られることになった。銅像が新潟県外に設置されるのは初めて。五泉市の担当者は「タマ公のことを多くの人に知ってもらえれば」と話している。
タマは新潟県川内村(現・五泉市)で生まれた雌のシバイヌ。1934年と36年の2度、狩猟中に雪崩に巻き込まれた主人を助けた。両足を血だらけにしながら雪を掘ったタマの活躍は、当時の新聞などで報じられ、「忠犬タマ公」として知られた。
横須賀とのかかわりは、この話に感激した新潟県出身で横須賀市在住の海軍ゆかりの人たちが36年に衣笠山公園(同市小矢部4丁目)に石碑を建てたのが始まり。石碑に揮毫(きごう)したのが小泉純一郎元首相の祖父で、横須賀市長を務めた小泉又次郎氏。
2002年には五泉市の小学生らが当時首相の小泉純一郎氏に「タマ公を全国に広めてほしい」と手紙を送った。以来、相互訪問などで両市民の交流が本格化。09年には災害時相互応援協定を結ぶ関係になっている。
五泉市によると、両市の「交流の証し」として銅像を贈ろうという話が浮上したという。タマ公の銅像は現在、五泉市と新潟市に計4体あり、横須賀市に贈るのは五泉市立愛宕小学校にある銅像を複製したもの。
銅像はこれから制作に取りかかり、来年3月に横須賀市に贈る予定。衣笠観光協会が3月下旬に衣笠山公園で開く忠犬タマ公慰霊祭でお披露目する予定。
五泉市商工観光課の担当者は「タマ公は、いたわりや助け合いの大切さを伝える地元の宝として語り継がれており、多くの人に知ってもらいたい」。横須賀市の衣笠観光協会の鈴木一男会長は「タマ公が結ぶ長い縁を今後も大切にしていきたい」と話している。
(前田基行)
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